大坂の陣
大坂の陣 / 感想・レビュー
巨峰
大坂の陣を真正面からとらえた弩級の大編。作者の「賤ヶ岳」や「関ヶ原」などは非常に好印象だったため、期待をもって読んだが全く裏切られなかった。この作品の登場人物について作者は誰か悪人に割り振ることもなく、一人一人の人物にはいろんな角度から光を当てられており、どことない悲しい存在感があった。歴史小説好きの方には超お勧めです。
2019/09/14
rosetta
★★★✮☆関ヶ原が終わったからと言って家康の支配が磐石になった訳ではまだなかった。強引すぎるやり方で諸侯の反発を買うような真似は出来なかった。しかし次第に豊富恩顧の大名たちも歳をとり将軍職を秀忠に譲り徳川の世が固まってくると最後の仕上げとして秀頼を仕置しておかなくてはならぬ。初めは大坂城を退去すれば、国替えに応じればと言った穏やかな解決法もあったが豊臣方、主に淀の頑なさに手を焼いているうちに家康もどうしても秀頼よを滅ぼさなくてはならない気持ちになって来た。教科書では家康が一方的な悪者に見えるがそうでも無い
2019/09/19
しーふぉ
誰が主人公とかないので、焦点がぼやけてしまっている気もする。
2020/12/01
華形 満
学生時代に日本史、特に織田・豊臣・徳川と続く戦国時代が苦手だったトラウマが甦るかと思ったが、むしろ解り易かった。読み進めると、やはり日本人独特の本質というか、嫉妬、妬み、恩義、そして忖度など、現代にも通じる独特の感情が、この当時には生死を分かつ重要なファクターだったんだと改めて認識させられる。現代目線からすると、つまらない意地で命を落とすなぞ馬鹿らしいと誰しも思うだろうが、外国人には理解不能な感情が独特な日本史を生んできたのだとも言える。単に淀殿母子のマザコン気質が諸悪の根源とは言えないだろうと学んだ。
2019/07/28
クールグレー
それぞれの立場から詳細に描かれた大坂の陣。長いが読み応えあり。家康や秀頼はもちろん、秀忠や大野治長、片桐且元らの葛藤が面白く、大坂の陣を深掘りすることができた。
2020/03/11
感想・レビューをもっと見る