自由は死せず
自由は死せず / 感想・レビュー
starbro
門井 慶喜は、新作中心に読んでいる作家です。板垣 退助は知っていますが、本人が主人公の小説は初めてです。暗殺されて死に際に「板垣死すとも自由は死せず」という名言を残したのだとばかり思っていたら、どうも創作のようですし、80歳台まで長生きしました。明治維新の他の偉人に比べ、政治家としての器は大きいと思いますが、坂本龍馬しかり西郷隆盛しかり、志半ばで死去した悲劇の偉人の方が人気があるのは解る気がします。
2020/01/24
ケイ
板垣退助について。この作家さんの維新ものは伊藤博文については面白く読んだが、こちらは出だしが似ているようでと惑った。歴史小説は、やっぱり司馬さんが好みかな。
2020/10/11
のぶ
本作はタイトルから分かる通り、板垣退助の生涯を記した歴史小説で、伝記的な要素もあるが、合わせて、幕末から明治維新への激動の変化を著した作品でもあった。この時代の本は過去に相当数読んでいるが、これほど詳細に政治的な史実が書かれたものは読んだことがなかった。そんな意味で非常に勉強になるし、登場人物は幕末の徳川将軍や天皇。新選組から坂本龍馬、明治に入っては伊藤博文、江藤新平他オールスターキャストが板垣退助との絡みが描かれている。とても長い作品だが、この時代に興味のある人にはお勧めです。
2019/12/15
あも
長かった。とてもとても長かった。喩えるなら雄大な山を、時折飛び立つ鳥の姿に目をやりながら日がな一日眺めているような心持ち。このタイトル一つで分かるキャラの立った人物・板垣退助。幕末…と言われた時に思い浮かぶのは新撰組など敗れし者達の滅びの美学や薩摩長州の志士らの苦難に立ち向かう姿。土佐藩の上士として産まれ、時流に乗り、会津を滅ぼし、更に普段描かれることのない維新後の政治が見れるのかとワクワクしたが、魅力も能力も伝わってこない主人公の感情の乗らない報告書を淡々と読まされる500ページの遙かなる旅路であった。
2020/02/07
hiro
板垣退助といえば、自由民権運動、板垣死すとも自由は死せず、昔の100円札の肖像が思い浮かぶが、それほど詳しく知らなかった。その生涯を2段組557頁で描いた作品だが、さすがに読み終えるまでは時間がかかった。同じ土佐出身の坂本龍馬と比べると、人気はそれほど高くはないかもしれないが、この本を読むと日本の政治に大きな影響を与えた人物であることもよくわかる。幕末についても、新選組や龍馬が主人公の小説を読んできたが、そこでは登場しない甲府や会津での戦いなどについも知ることができた。次は『東京、はじまる』へ進もう。
2021/01/16
感想・レビューをもっと見る