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乳房のくにで

乳房のくにで

乳房のくにで

作家
深沢潮
出版社
双葉社
発売日
2020-09-16
ISBN
9784575243260
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乳房のくにで / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

『かけらのかたち』を読んでからの深沢さん作品二作目です。相変わらず女性特有&ならではの目線で書かれており、妬み&つらみなどがてんこ盛りです。読んでいて、決して明るいキモチになれるとは言いがたい内容でしたが、不思議と淡々と読ませる熱量があります。乳母、離婚、シングルマザー、そして過酷な姑問題など、とにかくなかなかの重量感あふれる作品でした。出産と育児にもふれており、これはこれでなかなか読ませる展開でしたね。ラストは正直、意外な流れに転換し、まさかまさかの結びでした。最後まで飽きさせないテンポで良かったです。

2020/11/12

モルク

シングルマザーの福美は乳児を抱え貧困に喘いでいた。母乳を利用し、母乳の出ない嫁の代わりに乳母として政治家の家に住み込むことになるが、小学校の時、嫁の奈江に虐められていたという因縁があった。母乳信仰の高い姑の嫁いびりは凄まじく、孫への干渉も異常である。母乳の出ない劣等感に陥る奈江と、母乳を通し奈江の子供に慕われる優越感で虐めの仕返しをする福美。そのとばっちりを受ける子供たち。でも、気持ちいいラスト。母乳信仰は今でも残る。母乳の出ないお母さん、安心して!大昔にミルクのみだった私はこんなに立派?に育ちました!

2021/10/10

sayuri

一体いつの時代の話かと思う程、時代錯誤も甚だしく不愉快極まりない。そう思わせる事が作者の狙いなんだろうとその策略を感じながら読み進める。物語冒頭、電気・ガス・水道を止められ生後3ヶ月の娘・沙羅をベビーカーに乗せデパートをうろつく主人公・福美の描写から不穏な空気が漂い、その後の展開に嫌な予感しかしない。貧困だが溢れ出るくらいの母乳を持つ福美。その母乳を利用し、気にいらない嫁を追い出そうとする代議士一家の千代。母乳信仰、母性、○○でなければいけないに辟易する。決めつけから解放されれば女性はもっと楽になるはず。

2020/09/28

H!deking

昨日のサイン会イベントで手に入れた一冊。金は無いけどおっぱいは出すぎるくらいに出る福美。娘の父は行方不明。そのタイミングで出会った人が経営している乳母の派遣会社に住み込みで働くようになり…的なお話。深沢先生初読みでしたが、なかなか面白くて一気読みでした。これは他の作品も行かないとですね。イベントってこういう作品との出会いもあるから面白い!

2020/11/02

スエ

「どうしてこうなってしまったのか。」おっぱいの出る女性とおっぱいの出ない女性。その違いで、こんなにも運命が変わってしまうものなのか。代議士宅の嫁と乳母。この家のお姑様のキャラがまた凄い!!「おっぱいも出ないっていうのに。まったく、母親として失格だわ!」 一読の価値有りです!!

2020/11/12

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