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ななみの海

ななみの海

ななみの海

作家
朝比奈あすか
出版社
双葉社
発売日
2022-02-17
ISBN
9784575244892
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ななみの海 / 感想・レビュー

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ベイマックス

読み応えありました。主人公は児童養護施設から学校に通う女子高生。友達との関係、施設内の年下の子たちとの関係・職員との関係、施設に来る前の母の死と祖母との二人暮らしの記憶。濃い人間模様の物語。悪気のある大人、悪気はない大人や子供、相手を思いやっている言動。でも、受け手の意識で様々な形に姿を変えて、癒しもするし、気づつけもする。だからといって、言動を封じてしまうのも進展がない。語り合うことの大切さ、時には、ぶつかることも必要。深く濃い小説でした。

2022/12/04

美紀ちゃん

児童養護施設のこと。施設での生活の様子がとてもよくわかる。ななみは両親がいない。それは特殊なことで、帰る場所がないというのは、重いこと。言われると辛いこと。成績が良く、一生懸命に学習するななみでも、心身のバランスを崩す。 爪を噛んだり、足を踏み鳴らしたりした。歯を食いしばり孤独と闘ってきた。高校生のななみは、施設に住んでいることを、ダンス部の友達に言えなかった。でも、みんな知っていた。涙が出そうになる。そういう、みんなと違う部分での悲しさがたくさん出てくる。友情。希望。未来。最後にさす光が温かい。

2022/03/20

ゆみねこ

ななみは児童養護施設で暮らす高校生。進学校に通い成績優秀、ダンス部の活動にバイトに忙しい毎日を送る。通称「寮」と呼ばれる施設に居る事を仲間には言えないななみの苦しさ、施設の子供たちを取り巻く現実、自立を迫られる18歳を目前に、ななみの悩みは尽きない。すべての子供たちを幸せにするためによい大人がいる社会を切望する。子供に呪いの言葉を投げかける親、どれほど子供を縛り付けるるのか。重い内容だけど一読をお薦め!

2022/04/22

みかん🍊

児童養護施設で暮らすななみは大学受験に向け勉強を頑張る傍ら親友達とダンス部で活動し充実した青春を送っている様に見えるが高校では施設で暮らしている事を言えずにいた、軽い調子でかわしたいがもやもやする気持ちはどうにも出来ない、兄弟の様に一緒に暮らす中学生たちにも親や教師に傷つけられ、何でもないように振る舞っていても手摺りのない崖っぷちを歩いている様な彼ら「いい大人になりたい」子どもは大人次第、いい大人が増えれば困らない子どもも増える、親のいない子どもと毒親を持つ子どもどちらがましかなんて比べられない。

2022/05/25

ぶんこ

児童養護施設で育ったななみの大学受験までを通して、施設の子、家の子と立場が分かれる子どもが出来るのは、大人次第であるという現実を突きつけていました。一緒の施設に暮らす子どもたちの背景を間近に見ていた事で「子どもって、大人次第。何もかも大人に握られているところがある。未来も命も。いい大人が増えれば、困らない子どもも増える。だからいい大人になる。」そう悟ったことで、祖母からの「医師になれ」の呪縛を解き、教師への道を目指す。最後に言いたくない事を言わなくていいのが親友と考えるみえきょん最高。

2022/07/30

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