夏の体温
夏の体温 / 感想・レビュー
さてさて
『外に出て遊びたい。早く学校に行きたい…どうしてぼくがこんな目にあうんだ…』。そんな思いの中に『長期入院』の日々を送る小学校三年生の瑛介が主人公となる表題作〈夏の体温〉など三つの作品が収められたこの作品。そこには、瀬尾まいこさんならではの”友情”の有り様が描かれていました。人と人が接する中に浮かび上がる心の機微を感じるこの作品。それぞれに読み応えのある物語世界を堪能できるこの作品。ここまで優しさに満ち溢れた世界が描けるものだろうか?と、瀬尾さんの作り上げる物語世界に改めて感服する他ない傑作だと思いました。
2023/08/03
bunmei
自分の置かれた立場に対して、少しでも自信をもって歩める後押しとなるような、3つの短編集。表題の『夏の体温』は、瀬尾さんにしては珍しく、小学生の視線で、様々な大人への想いと共に、同年代の子供との友情をテーマにしている。そして、温かで優しい善人が登場する作品が多い瀬尾作品の中で、あえて、周りからストブラと呼ばれる、腹黒い男を2編目で登場させるのも新たな魅力。そして、3篇目は、中学校の教科書にも掲載された、転校生としての心の葛藤が描かれている。どれも最後は、温かな光に包まれる様な、瀬尾作品らしい物語。
2022/05/23
うっちー
読みやすい3編でした
2022/04/19
ウッディ
良い人ばかりが出てくる話しか書けない学生作家の大原さんが、周囲からストブラ(腹黒)と呼ばれる倉橋に密着取材をする「魅惑の極悪人ファイル」が断然面白かった。人付き合いが苦手な大原さんのグイグイ来る感じが笑えてきて、悪人になり切れない倉橋君とのやり取りもユーモアがあり、二人が友達になっていく過程にニンマリしました。悪人を描くことができない主人公は、瀬尾さんの分身なのかな?と思いながら、この話だけで一冊読みたいと思う面白さでした。長期入院している小学生のひと夏の友情を描いた表題作も切なく、面白かったです。
2022/11/22
りぃぃ
刺激的な本のあとだったから、物足りなさを感じつつも、いつものほんわか、ほっこりな内容で安心して読めました。
2022/07/21
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