川のほとりに立つ者は
川のほとりに立つ者は / 感想・レビュー
さてさて
“新型ウイルスが広まった2020年の夏。彼の「隠し事」が、わたしの世界を大きく変えていく”と、内容紹介にうたわれるこの作品。そこには『意識不明の重体』となって五ヶ月ぶりに再会した男性に隠された真実に向き合っていく清瀬の物語が描かれていました。コロナ禍を極めて自然な描写で作品背景に落とし込むこの作品。”小説内小説”の存在が、物語に思った以上の奥深さを付与していくのを感じるこの作品。寺地はるなさんには珍しい、ミステリーという舞台設定の上に、人の心の機微を細やかに映し取っていく新鮮な読み味の作品だと思いました。
2022/10/22
starbro
寺地 はるなは、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、青春群像劇、中篇のせいか、今回はあまり刺さりませんでした。 https://www.futabasha.co.jp/book/97845752457210000000
2022/12/09
射手座の天使あきちゃん
パーソナルの尊重や多様性を認めることの大切さは知識として十分理解できるのですが、正直に白状するとこの小説になんの面白みも感じられなかった私は読解力に問題があるようです! <(^_^;
2024/06/15
bunmei
人の奥底に抱える痛みや辛さは、本人でなければ分からない葛藤がある。それは、その人の育った環境にもよるが、生まれ持った特性や障がいという場合もある。それに気づき、手を差し伸べる独りよがりな優しさが、却ってその人を苦しめ、反感に繋がる現実もあり得る。しかし、それでも最後まで「その人の明日が、よい明日になるように…」と願うことに、人としての尊厳と素晴らしさであると思う。それを、男同士の友情と不器用な恋愛を通して訴えてきている。P192の小学校6年の卒業文集に、この作品に込めた、著者の熱い思いが感じ取れた。
2023/02/26
まちゃ
常識だと思っていることが、実は物事の一面だけを捉えた思い込みなのかもしれない。読み終わった後に、そんな思いを抱かせる物語。読後感は良かったです。篠ちゃんのセリフに共感「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。いい部分と悪い部分がその時のコンディションによって濃くなったり薄くなったりするだけで」
2022/12/25
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