少女マクベス
少女マクベス / 感想・レビュー
starbro
降田 天、4作目です。前半戦は、サスペリア的な展開かとワクワクしながら読んだのですが・・・ 結果としては、不完全燃焼でした。 https://fr.futabasha.co.jp/special/girl_macbeth/
2024/10/10
パトラッシュ
優れた才能は目も眩む高みに達する反面、人の醜悪さをもさらけ出す。演劇に全情熱を傾注するハイティーンの少女たちを集めた学校とは、この両面を知るために存在するようなものだ。最高の芝居を創造するためなら悪魔に魂を売るのも容認された場では、至高の芸術を求める人は許されざる悪をも許容してしまう。神の如き天才と崇められた設楽了の死の謎を探る貴水とさやかの探偵行は、マクベスを誘惑して野心に破滅させた魔女は誰かを探っていく。その魔女すら演劇の毒に魅せられ罪の沼にはまっていく姿は、人の業を描くミステリが見事に成立している。
2024/09/20
hiace9000
シェイクスピア戯曲『マクベス』へのオマージュ感あふれる演劇ミステリー。最後まで”結末を読ませる”ことを阻止する練りに練られた構成、そして伏線疲れさせるギリギリまで敷き詰めた幾重もの伏線。アッと驚く結末もまた舞台装置か。演劇に夢を、あるいは救いを求めた少女たちが通う百花演劇学校。神とも称された天才劇作家・了が上演中に不可解な転落死。事故か事件か、それとも―。丁度9月末に読了した岩井さん『舞台には誰もいない』。同じジャンルながらまったく異なるアプローチで、誰かを演じて生きることを決めた演劇人の「業」を描く。
2024/10/10
mint☆
女性だけの演劇専門学校で起こった死亡事故。読み始めは貴水が何故それが事故ではないと言い切るのかはっきりとした理由が分からず、さやかもどうしてそこまで?と思うくらい冷たい態度なのでちょっとモヤモヤしていましたが、二人の間の空気が少しずつ変わり、様々な事実が出てくると先が気になり一気読みでした。劇作家志望の少女の死をめぐり、華やかに見えていた演劇学校の生徒たちそれぞれの苦悩が見えてくる。闇を感じたラストでしたが、明るい未来を感じて爽やかな気分で読み終えました。映像化されても面白そうな気がします。
2024/08/31
☆よいこ
百花演劇学校(某歌劇団学園と同じような)は、中学を卒業した少女たちが演劇を学ぶ全寮制の女子高。10月定期公演の上演中に、天才演出家の設楽了(したらりょう)は奈落に落ちて死んだ。4月新入生歓迎公演で了の遺作『百獣のマクベス』が上演される。新入生の藤代貴水(たかみ)は「わたしは、設楽了の死の真相を調べに来ました」と宣言した。了の死で演出責任者になった結城さやかは貴水にしつこく問いただされる。三人の魔女の秘密とは▽演劇少女の青春群像ミステリー。「神」とはなにか。才能とはなにか。2024.8刊。マクベス必読
2024/11/01
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