新装版 明治流星雨 『坊っちゃん』の時代 第四部
新装版 明治流星雨 『坊っちゃん』の時代 第四部 / 感想・レビュー
くさてる
明治という時代を描いた作品は、ここで「大逆事件」を取り上げる。菅野須賀子という女性の生の持つ迫力とそのはかなさに、わたしはまったく同じ物語でも、これを女性が描いたならどんなものになっただろうと思わずにいられなかった。けれど、この不幸と貧しさは等しく男性のものでもあることは前巻の石川啄木でも十二分に表現されているのだ。しかしそれでも。あまりにも。
2022/02/22
マッピー
この巻は幸徳秋水を中心として「大逆事件」について。 土佐の田舎から上京した秋水は、民権運動、社会主義者、無政府主義者と、徐々に過激になっていくのだが、実は大逆事件のころには身体を壊していて、文筆だけで生きていこうとしていた風でもある。 秋水は徐々に運動の一線から引いていく。 けれど秋水の名を怖れた政府が、秋水はほぼ無関係であることを知りつつ逮捕し、死刑に処する。国のトップがそれを望んでいることを察して、空気を読んだのだ。怖い。 江戸時代と大正デモクラシーのあいだの激動の時代。 あと一巻、目が離せない。
2015/03/13
getsuki
今回の中心は大逆事件。彼らの内にあったエネルギーが、いかにして大事件にまで至ってしまったかを描いているが、時代とはいえ、女性に対しても容赦のない取締りに頬が引き攣るなど。
2014/10/01
もだんたいむす
なんか怖い時代だ。★★★★☆
2016/11/13
pppp504
無政府主義的な政治思想を持っている訳でもないのだけど、幸徳秋水然り、大杉栄然り、クロポトキン然り、アナーキスト達の人間味溢れる人生に惹かれる。
2014/11/16
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