ヴェネツィア
ヴェネツィア / 感想・レビュー
らぱん
ルイ・ヴィトン社の依頼で谷口ジローが描いたグラフィックノベルは、丁寧に描かれ繊細に彩色された綺麗な水彩画で光と水の表現が素晴らしい。色調は明るめだが、物語とヴェネツィアの場の力がほのかな影となりノスタルジックな雰囲気を醸し出す。男は亡母の遺品整理で数葉の写真と絵葉書を見つけてヴェネツィアに旅立つ。幼女を抱く女性、アトリエで絵を描く男性と傍らの女性、水際で遊ぶ幼女とその両親と思われる男女・・・彼らは誰なのか。絵葉書は誰が・・・。ヴェネツィアを彷徨いながら旅の性質である発見や冒険が邂逅となり収斂されていく。↓
2019/10/27
ぐうぐう
漫画であり、画集でもあり、ヴェネツィアのガイドブックとしても楽しめる、なんとも贅沢な一冊。ルイ・ヴィトンのトラベルブックシリーズの依頼として指名された谷口ジローは、ストーリーを持たせ、漫画のスタイルでヴェネツィアを描くことを選択する。全編フルカラーのひとコマひとコマが、まるで絵葉書のようだ。それは美しいからだけではない。絵葉書には、差出人の想いが込められている。この漫画にも、谷口のそんな想いを確かに感じる。
2016/12/17
たまきら
谷口さんの繊細な絵がフルカラーで楽しめる贅沢な一冊です。ルイ・ヴィトンによるトラベルブックと言うシリーズの一つであることを後書きで知りました。こういうぜいたくな企画、ぜひ日本の企業も実現してほしいなあ。
2021/07/05
aloha0307
享年79歳 母を亡くした主人公(ジローさんご自身?) 遺品の中から、サンマルコ広場での母と(生前会えなかった)祖父&祖母のセピア色の古い一枚の写真がきっかけでヴェネツィアへ... 当地へは旅したことはないが、その息吹きを漫画を通して伝えてくれます。”あなたがここにいて わたしがここにあります”~血のつながり の深さを思う。 ジローさん 先日逝去された こころより合掌
2018/04/29
micamidica
高額のため購入を迷っていたけれど、訃報を聞き、衝動的に購入してしまいました。ルイヴィトンからの依頼で作成されたものの日本語版。とある男性が、亡くなった母親のもとにあった絵葉書を見つけたことをきっかけにヴェネツィアを訪れる…という物語が、数々のヴェネツィアのイラストとともに語られる。主人公の男性は別に描かれていなくても良いのですが笑、そこを我慢してもあまりあるヴェネツィアのうつくしさ…。ずっと眺めていられそうです。一生忘れないであろうジューデッカ島からみた夕暮れ、谷口さんも描いてくれていて嬉しかったな。
2017/02/18
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