谷口ジローコレクション9 明治流星雨
谷口ジローコレクション9 明治流星雨 / 感想・レビュー
ぐうぐう
谷口ジローコレクションで再読する『明治流星雨』。漱石、鴎外、啄木と、明治の文学者を主人公としてきた『『坊っちゃん』の時代』だが、この第四部では幸徳秋水を主人公としながら大逆事件を描く。政治を真正面から描こうとするのだ。とはいえ、大逆事件の主人公は幸徳ではない。そこにドラマが、哀しみが、そして明治末期という近代日本のターニングポイントがある。社会主義者である幸徳らを関川夏央は「西欧社会科学の影響下に資本制と帝国主義の問題点に気づき、体制に非を鳴らした「憂国者」たちだった」と説く。(つづく)
2022/02/23
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