谷口ジローコレクション(19) センセイの鞄1 (谷口ジローコレクション 19)
谷口ジローコレクション(19) センセイの鞄1 (谷口ジローコレクション 19) / 感想・レビュー
Roko
川上弘美さんの「センセイの鞄」を、谷口ジローさんの絵で読めるなんて、なんて素晴らしい組合せでしょう!小説よりも、グッとツキコさんの心理描写が細かい感じがします。センセイが元教え子であるツキコさんから突っ込まれて、それを諭すこともあれば、ツキコさんの言う通りですねと思い直すところも、とてもいい感じです。少しずつふたりの距離が狭まって、先生と生徒ではなくなっていくところにドキドキしちゃいます。
2024/05/27
ぐうぐう
『谷口ジローコレクション』で再読する『センセイの鞄』。このコミカライズを読み、川上弘美が「こういう話だったんだ!」と驚いた逸話が有名だが、谷口ジローが描く『センセイの鞄』は原作を知る人ほど面白く感じられ、そして嬉しくなる発見に満ちている。原作小説はどこかさばさばとした渇いた感触があるのに、このコミカライズからは適度な湿り気を感じるのだ。読者はもう一度、『センセイの鞄』と初めて出会う体験を覚える。それは凄いことだ。
2022/07/31
じじちょん
図書館でセンセイの鞄を探してたら見つけた。焦らず先に原作を読んだが、谷口ジローの作風にとてもぴったりだった。漫画の方も原作に忠実。食べ物の描写やセンセイとの距離感、月子さんのイメージもその通りだった。
2023/03/14
Praesumptio cedit veritati
画風が川上弘美の作風に合っている気がした。静謐な文体に合う静謐な絵だからだろうか。書架から川上弘美の原作を取り出して少し比較したが、セリフをよく活かしているし、本文の描写を丁寧に絵に描き起こしている。プロの仕事だなと改めて思う。かつて原作を読んだが、そのときは谷口ジローの漫画で読んだ今回ほど鮮烈な印象はなかった。原作にマッチした絵の力の素晴らしさに感じ入る。
2022/09/07
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