PINK (双葉文庫 し 25-1)
PINK (双葉文庫 し 25-1) / 感想・レビュー
練りようかん
いたずらメールにおかしな出来事、全ては桃色の何かによる兆候なのか、信じてきた現実がガクンガクンと下がっていく感覚で、舞台が神戸だからかモザイク大観覧車のてっぺんから地上に近づくイメージを抱いた。主人公の夫は震災で喪った婚約者によく似た人物。夫がすり替わった?些細な、それでいてこれ以上の確証はないと思える不信感の根拠が上手い、曲の終わりに変な声が聞こえる都市伝説などホラーの手招きが魅力的。各々の誤算は早すぎる展開、主人公が暗い事実に気づくのを止めたい気持ちは一緒だと思いながらページを捲った。でもいい、再生。
2024/06/24
あつひめ
震災で愛する人を失っただけでなく大きな傷を背負ってしまったことを忘れたいのではなく消し去りたいって意識がプラスされていたのかもしれない。そして何よりも自分自身でももういない元彼を愛している愛している・・・と暗示にかける。震災、宗教、麻薬、殺人事件といろんなことを絡ましているけれど、根底には自分自身で繭から出る決心を・・・という気持ちが含まれているような気がした。やっと夫を夫として愛そうと決心したことにホッとした。
2009/10/14
ゴキ子
最後に失速した感はあるものの、重いテーマを爽やかにまとめた手腕はさすが。解説の貴志氏の作家?男性?ならではの読み解き方の自分との相違も面白かった。
2009/03/21
笹
柴田氏はやはり、ストーリーテラーだと思う。
2004/02/19
煉
処分本
2009/01/12
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