僕たちの戦争 (双葉文庫 お 23-4)
僕たちの戦争 (双葉文庫 お 23-4) / 感想・レビュー
ehirano1
萩原さんが書くだけあってユーモアと急展開ぶりは流石だと改めて思いました。印象に残ったのは、今の若者だろうと昔の若者だろうと、苦境をその時代のせいにするのではなく、その時代を(置かれた状況を)一生懸命に生きようとする姿と決意があることでした。
2019/03/16
ちょろこ
笑い泣きの一冊。現代を生きる青年と戦中を生きる軍国青年が入れ替わったタイムスリップ物語。ユーモアが終始笑いを運ぶその傍らで何度もせつなく涙が滲む、まさに笑い泣きを体験した。置かれた時代に彼らなりに適応していく姿、未来を知るからこその言えない言葉が何度も胸を打った。人間魚雷 回天に改めて怖気が立ち、死=名誉の洗脳に反吐と涙の嵐。そして改めて思う。終戦宣言後もまだ戦おうとした人がいたことを。愛する人のために散った命、想いの尊さを。これらが次世代に伝わってほしい、伝えるべき大切さが込められた、紛うことなき良作。
2023/08/11
koba
★★★★☆
2015/04/04
dr2006
タイムトラベルで人の入れ替えとくれば、昨年話題になったあの作品を思い出さずにはいられない。定番のSFだがこのジャンルは大好物なので読んでいて凄く楽しかった。1944年と2001年に生きる瓜二つの男性二人が入れ替わる。互いの時代に驚愕しつつ順応を試み、元に戻るきっかけを探していく。主人公夫々が一人称で時代や環境を解説するところが滑稽で思わず吹きだす。例えば1944年から現代に来た吾一は、どこにでもある7の文字にELEVENと書いてある店に対し、フリガナが11である間違いに疑問を持った。恋愛要素にもホロリ。
2017/02/27
ehirano1
これは書くのは結構難しかったのではないでしょうか。というのも、明治から昭和初期を生きた方々の視点をもって現代を表記するというは、単なるテクノロジーの違い(便利さの違いとも言うべきでしょうか)だけではなく、その時代の雰囲気というものを反映する必要があると思い、これは注して書かないと、読者の失笑ひいては時代を生きた方々の反感を買う恐れもあるのではないかと思いました。しかし、そういった違和感を感じさせなかったのは流石だと思いました。
2019/08/10
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