虹を追いかける男 (双葉文庫 さ 28-1)
虹を追いかける男 (双葉文庫 さ 28-1) / 感想・レビュー
ga-ko
2話読んでやっと理解。働くことがテーマだったのか。でも屠殺ってそんなに意識する仕事なんだと初めて知った。
2016/11/25
みや
デビュー作『生活の設計』と表題作の2篇を収録。饒舌かつ硬質な文体と技巧的な構成からは著者の並々ならぬ意気込みが伝わる。共に、人生における自らの「居場所」を模索する過程での葛藤、自己正当化、他者への嫉妬・憧憬がテーマのようだ。根底には著者の肉体・労働への礼賛と反骨心が見え隠れする。若々しくオトコ臭い作品だ。意外な結末はお楽しみ。
2019/10/12
タリコ
思いがけない失業で屠殺業についた男。職業差別と「世間」論。テンポの良い語りで展開される論理を追いかけるのが楽しい『生活の設計』。表題作はアングラ劇団あがりという男のキャラに引っ張られる感じ。どちらも面白かった!
2010/01/15
うーちゃん
佐川光晴は屠殺の仕事をやったことがある。この経験をノンフィクションで描いたのが『牛を屠る』であり、フィクション版が本書所収の中編『生活の設計』だ。本書は長らく絶版状態で、やっと古本で手に入れた。初期の作品なので抜群に面白いとはいかないが、途中で「後藤善男」という名前が出てきて、買ってよかったと思った。代表作『おれのおばさん』シリーズと同じ世界を扱った作品だったことが分かったからだ。後藤は『あたらしい家族』では主役だが、本作では名前が触れられる程度の扱い。ここが豊饒な世界の始まりだったんだ。
2021/09/26
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