月の見える窓 (双葉文庫 し 28-1)
月の見える窓 (双葉文庫 し 28-1) / 感想・レビュー
ゆみねこ
幼い息子を残して失踪したキャバクラ嬢・麻衣を探す、スカウトマンの晶彦。麻衣を探す最中、もうひとつの誘拐事件に直面する。犯人の目的は金ではなく、社会への提言なのか。真犯人があまりにも下衆でがっかり。
2018/03/19
春風のぼる
どこに向かうのかどう展開していくのか、読み始めは全くわかりませんでした。 失踪した人物を探す・・探偵ハードボイルドチックな話かなあと。登場人物は主人公を含めみんな内面に弱さを抱えている。ところどころでページをめくるのをやめて考えてしまう。お人よしと言われても守りたい気持ちがあるんですよ。優れた小説は心がふるえます。そこまでかといわれれば少し違う。ただ心に沁みます。ああ、そうそう、そうだよと思いました。
2015/12/28
みすまりも
唯一の肉親である妹を亡くした主人公は、水商売のスカウトマンとして暮らしているが、子供を置いて行方不明になったホステスを探す羽目に。そして前後して起こる誘拐事件の渦中に否応なく巻き込まれていく。行方不明のホステスはこの事件に係っているのか?主人公の背負うものが重く哀しい。二転三転する誘拐事件の行方を追う彼が気付く事件の核心。哀しく切ないが、最終盤は少し希望も見え隠れするので、ほっと溜息…。
2013/10/04
うりゃりん
『あぽやん』『もう君を探さない』ときた新野剛志3作目。(発刊の順番は逆転してますが)『もう~』の読後は『あぽやん』とのギャップに戸惑ったのだけれど、本作を読んで、作風が解ってきた。一人の人物に焦点を当て、事件を通して移り変わる心情を描いていく手法はなかなか説得力がある。人生の登り下りを間接的にでも経験していないとできないことだと思う。「作家修行」の時期に培われたものなのかな。『八月のマルクス』も現在読書中。『愛ならどうだ!』はまたテイストが違うようなので、読んでみたいと思った。
2012/07/07
isao
単なるキャバ嬢の失踪かと思いきや…うちあたいと、ほんのりとした安心感と、じんわりとした救いを感じた。新野さんの作品は「心」と「想い」が強く伝わってくる。好きな作家の一人に加えようっと!!
2012/02/01
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