竜巻ガ-ル (双葉文庫 か 36-1)
竜巻ガ-ル (双葉文庫 か 36-1) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
著者デビュー作、短編4編。表題の『竜巻ガール』『旋風マザー』は女性の、しかも美しき女性の怖さを覗き見た。美しき女性が目的を秘め計画立てて男に迫れば崩れない男はいないよなと。読み進める内、女性の怖さというより、女性の弱さや生きづらさ、そこから来る不安や、演じなきゃという我慢が見え隠れする!相手を思うがゆえ、相手を信じたい気持ちと疑心暗鬼は同居する!信じは薄れ疑心は膨らむ。確かめたいけど真実を知るのは怖い!そんな私達の身近な葛藤と愛を描いた作品。人間関係が苦手な方(私?)に少し自信をくれる作品かもです‼️🙇
2019/08/18
さてさて
『ガール』、『マザー』、『ウーマン』、そして国際結婚を取り上げる〈霧中ワイフ〉の『ワイフ』といった女性たちがその起点となる物語を見ることができるこの作品。垣谷さんってこんな露骨な性描写もするの!とビックリな場面の登場など今の垣谷さんとは一味違う世界観を楽しめるこの作品。デビュー作だからこその驚きも多々楽しめる一方で、今に繋がるコミカルさにやっぱり垣谷さんは最初から垣谷さんだったと安心もするこの作品。『竜巻』『旋風』、そして『渦潮』といった独特な言葉選びに垣谷さんらしい魅力を感じる新鮮な読み味の作品でした。
2022/07/06
りゅう☆
父の再婚相手の連れ子のガングロ娘に「竜巻」のように振り回されたけどちょっぴり大人になったり、父とようやく離婚できた母に「旋風」のごとく送り込まれた女性と母の思惑に女の毒気を感じたが情けないけど明るい父に光を感じ、不倫旅行中に溺死した相手から逃げ、若い嫁や会社で「渦潮」のように回ってるのか回されてるのか…。しかし淳タンは勘弁!中国人夫の秘密を知って「霧中」で悩んだが受け入れる事を決めたワイフの器に感嘆。不倫、離婚話なのに重くない。テンポの良さと憎めない登場人物たちのおかげかな。軽い感じで楽しく読めました。
2016/03/23
ちょこまーぶる
読み終えて何故か物足りなさを感じてしまった一冊でした。トラブルに巻き込まれた女性の話が4編の短編集ですが、表題の竜巻ガールでの親の勝手な行動によって出会って義兄弟となった高校生の恋愛感情や心理状態をもっと掘り下げたら、それで一冊の物語となるのではないかと思ってしまった。他の3篇についても同様で、1篇を読み終える度に何かが足りないというか、登場人物の感情があっさりしすぎているというか、どういう表現が正しいかわからないけれど、とにかく面白くなってきたら終結に一気に向かうという感じで残念な思いを抱いてしまった。
2015/04/13
巨峰
今やっているテレビドラマ「結婚相手は抽選で」がとても面白くて、その原作者のデビュー作ということで作者初読です。4つの短編からなる一冊ですが、それぞれ非常に上手く書かれていて、それでいてありきたりなテーマやありきたりな展開ではないという、一種の社会派とも言ってもいい作者らしい特徴がよく現れたデビュー作だと思う。毒はあっても意外に明るい。結構おすすめできます。表紙は女子高生ですが、女子高生が主人公なのは表題作のみ。幅広い年齢層の読者が、きちんと読める本だと思います。
2018/11/16
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