誘拐の誤差 (双葉文庫)
誘拐の誤差 (双葉文庫) / 感想・レビュー
harass
殺害された10才の少年の視点から描かれる、田舎の底辺のクズたち。幽霊状態の少年は「神の視点」を持ち、人物の内面も見通せ、少年の捜査をする警察、犯人、同級生、親たちのエゴ丸出しの本音をツッコミをいれつつ見届ける。隣人愛とか、文学とかそういう崇高なものとは対極で、よくぞここまでの悪意と黒い笑いを見せつけることに辟易しながらも、三面記事や実録もののいかがわしさを楽しむ読み物。絶対に後世に残ることはないだろうが、この徹底さに唸ってしまう。くだらないと吐き捨てるのもいいが、なにかひっかかるものを感じる。
2018/10/25
巨峰
礼乎君(読めんだろw)10歳が、そこいらのごろつきに無残に殺されてからの話。タイトルは、誘拐となってるけど誘拐ではありません。礼乎君は死んだとたん幽霊になって空間を自由に生ききし大人の心の声も自由に読めるんだけど、おとなたちは、実はあまりにも屑だった。。。というお話、そりゃどうでもよくなってかえって人間界に未練もなくなりますわw。わりと嫌いじゃないかも。普通じゃない小説を読みたい人向けの本です。
2017/08/18
りんご
狙い通りサイテーです。満足ぅ。爬虫類並みに短絡的な人間の、予想外に予想通りの、最高に最低な暴挙で死人が出ますがそんなの関係ねぇ。 はい、おっぱっぴー(我慢できなかった)!とっとと死んだレオくんは神目線となり、事件周辺の人物の行動をレポートしてくれます。霊魂なので思ってることも読めてしまいます。でも読者への配慮が垣間見えたりもします。「ここで俺が鈴木の頭の中を覗くのは簡単だが、それやっちゃうと面白くないと思わないか?」だってよ。ありがとなレオ。
2021/12/30
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
誘拐という言葉でミステリを連想してはいけない、そして犯罪に理由を求めたり、背後の事情に涙することを求めたりしてはいけない。犯罪の背後は結局こんなものだという、裏側を殺された本人が幽霊となって眺めてみましたという小説。救い?許し?一般のお涙ちょうだいのホントは完全にすっぱりと手を切った作品です。まぁ、こんな変化球というか、とことん直球もたまには蟻かなぁ。
2010/11/13
crazy cool joe
後ろのあらすじ読んで買ったけどナンじゃコレ!ミステリーじゃないし!表紙といい完全に狙ってる(笑)でも飽きずに読めたのは面白かったからかな?人間のクズッぷりが清々しい。こんな本もありなのでは?
2015/10/06
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