花が咲く頃いた君と (双葉文庫)
花が咲く頃いた君と (双葉文庫) / 感想・レビュー
❁かな❁
やっぱり豊島ミホさんの作品が大好き☆。.:*思春期のもどかしく切ない上手く言えない気持ちが本当にリアルで伝わってきます*四季を彩る花と共に4つのお話が描かれる。豊島さんの作品を読むのは3作目ですがアンソロジーで読んだ豊島さんの作品もとても好き♡同じR-18文学賞出身の吉川トリコさんの解説に共感*豊島さんにしか描けない、言葉にするのが難しい想いの表現も素晴らしく瑞々しい文章、切なく温かいお話にそれぞれでウルウルしてしまいました(´•̥ω•̥`)「椿の葉〜」「僕と桜〜」が特に好き♡余韻が残る珠玉の短編集*
2016/04/26
Shinji
愛情や友情、そして温もりに日常。人の思い入れなんて、人それぞれ違うもの。 季節に沿った花がキーとなる短編集だがどの話も花を想う場面が趣深かったです。 ユカのアンナとアキオに対する距離感の違いには、懐かしい気持ちでの共感があり心が緩んでしまいました。 季節が過ぎるのと、花が咲き、散りゆく のは同じ匂いの切なさを持っていて、いつも置いてかれる気持ちになります。「僕と桜と五つの春」では桜に寄り添えたカナハギと、その桜の存在感に追いついた吉谷、2人のラストに思わずこちらまで切なさに追いついた気持ちになりましたよ♪
2016/06/13
masa@レビューお休み中
そこには必ず花がある。夏にはひまわり、秋にはコスモス、冬には椿、そして春には桜が咲く…。花がある光景は美しい。けれども、そこに感情が付加されると、美しいは、ただ美しいだけではなくなる。人との関わりが生じることで、感情というものが濃密に混ざり合うのだ。それは唯一無二の大切な人であるからこそ。思い慕う気持ち、恋焦がれる気持ち、共に歩む気持ち、尊敬する気持ち…。それぞれの気持ちが、花に投影されていく。色鮮やかな花々の光景は、彼女たちの心の中に深く刻みこまれる。大切な人とともに、永遠の記憶として刻みこまれるのだ。
2013/05/27
takaC
発表順とは一致していない、向日葵(夏)→コスモス(秋)→椿(冬)→桜(春)という並びの効果は、最後まで読み終えると納得できる。
2013/05/15
dr2006
本作は、生命力の瑞々しさがほとばしる瞬間を、向日葵、秋桜、椿、桜に例え切り取る4つの短編集だ。背景として咲く花が、メタファとなって若い主人公たちの心情に重なり、その姿がやがて傍観しているはずの自分の感情と共振する。中でも3話目の(椿の葉に雪の積もる音がする)で、同居の祖父の喪失した主人公の雁子が、燦然と咲き続ける庭の椿を遠景に「自分の大事なものの中からおじいちゃんが欠けてしまい、もう戻らない」と泣き崩れるシーンにやられた(泣)豊島作品は忘れかけた大切な傷口を再生する。刃物みたいだけど読みたくなる(笑)
2019/04/24
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