Nのために (双葉文庫)
Nのために (双葉文庫) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
すんなりと読み進める部分があったり、内容が理解できずにページを捲るスピードが遅くなってしまう部分が混在していた一冊でした。何故かというと、唐突に時代背景が前後する部分があって、頭の中が整理しきれなかったという自分自身の問題なんですが、ちょっぴり苦手なんですね。また、登場人物に共感できる人がいなかったのが残念でした。なので、純愛ミステリーという事になっていますが、純愛とう気分を感じることができなかったことも残念でした。鈍感なのかな。でも、ダメな一冊ではないんですよ。何か支離滅裂な感想になってしまいました。
2015/11/19
kishikan
読み終わってみると、湊さんの文壇デビュー後初作品とは思えないほど、練られた構成で、加えて意欲的な恋愛への問題提起と最後までネタバレしないミステリでした。読了後すぐというより、暫くしてジワっときました。6人の登場人物うち4人が事件の真相のキイなのはすぐ分かるんだけど、誰が誰に何のために献身しているのか、やはり難しい。章毎に各人が一人称で事件を証言する物語だけど、事件10年後の証言も混じり、これが複雑さと面白さを増している。それぞれの生い立ちや、相手への献身のための嘘が結局はすれ違ってしまう悲しさに胸が詰まる
2015/08/28
まりも
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で起きた殺人事件の現場に居合わせた20代の4人の男女、それぞれの視点で事件の真相が語られる…な話。ドラマ版と比べると読後感に物足りなさを感じた。登場人物の描写はすごく丁寧だし、物語にあるエグミも自分の好みではあるんですがドラマ版と比べるとあっさりしすぎているのが難点ですね。そのせいで登場人物に感情移入しきれないんだよなぁ。もう少し惹きこまれる力があれば良かったと思う。ドラマが原作の穴をかなり埋めていた事がよく分かる1冊でした。
2015/05/04
yoshida
湊かなえ作品は初読みです。ある夫婦の変死体が見つかり、現場に居合わせた4人の20代の男女。彼等のモノローグで話は進む。皆、それぞれに虐待や家族の崩壊等の傷を持つ。それぞれの「N」の為の思惑、愛情が事件を起こす。全体的に重い雰囲気。正直、ストーリーに起伏が足りず、救いも感じられず。期待値が高いぶん、もやもや、いまいち感。ミステリーだけどこれは純愛ではないよね。ミステリーは宮部みゆきが好きと再確認した。
2014/12/07
さてさて
それぞれの登場人物が見せる過去と現在の感情の変化を通して事件の真実に迫る物語。私たちがニュースとして流し読みする短い記事の裏側に隠された真実へと到達する物語。そこには、それぞれが考える深い愛が理由になる物語がありました。 奇をてらわず読みやすい、そんな物語から伝わってくる『究極の愛』。「Nのために」、とても印象深い作品でした。
2020/11/15
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