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珈琲屋の人々 ちっぽけな恋 (双葉文庫)

珈琲屋の人々 ちっぽけな恋 (双葉文庫)

珈琲屋の人々 ちっぽけな恋 (双葉文庫)

作家
池永陽
出版社
双葉社
発売日
2015-05-14
ISBN
9784575517835
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珈琲屋の人々 ちっぽけな恋 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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ぷう蔵

「ちっぽけ」ってどんな尺度なのか?恋や夢や悩み事や…。ちっぽけって言うが、本人が言うそれはけしてちっぽけではないのだ。見栄があったり、謙遜があったり、相手への思いやりがあったり、誤魔化しであったり…。本人にしてみれば、他人が言うちっぽけとは正反対、実は大いに想い、悩み、苦しみ、葛藤し、絞り出した結論だったりする。過ぎてしまい、後から思えばちっぽけだったということもあるだろうけれど、その事柄と対峙してる当時はそんな小さい事に不思議と一所懸命になれる、命をも掛けられる(と思っちゃってる)自分がいるんだよね。

2018/06/27

あつひめ

どんな理由であれ人の命を奪ったことを心に刻み日々を生きている喫茶店主行介。でも、人はなぜ、いつまでも平穏な暮らしをさせないのだろう…と私は思ってしまった。その手が人を殺した手ですか?多くの人は、自分たちと違う行いをした人をいつまでも色眼鏡で見てしまうのか?そして、商店街の人たちは行介の優しさに甘えて生きている…ように見えてしまった。これが現実のことなら更生を妨げる行いのような気がしてしまう。小説に本気になってどうするんだ?と言われそうだが、行介の人柄が気に入っただけにモヤモヤする。

2016/03/11

ひさか

小説推理2011年4,5月号:特等席、7,8月号:左手の夢、10,11月号:大人の言い分、2012年1,2月号:ちっぽけな恋、4,5月号:崩れた豆腐、7,8月号:はみだし純情、10,11月号:指定席、の7つの連作短編を2013年5月双葉社刊。シリーズ2作目。2015年5月双葉文庫化。殺人で服役した過去を持つ主人公という設定部分が重いが、それは、事情を知る誰もが、一目置くという意味が強く、主人公を取り巻く人々との人情話。コミカル色も感じられ、楽しく読めました。

2021/05/09

Yunemo

7人の人間ドラマ、それぞれに悩み苦しむ気持ちを主人公行介が理解を示し、解決に向けて静かにサゼッション。一つ一つの言葉が胸に染み入ります。同じ場所に居続けると心も曇る、流れない水が濁るように。自身の気持ちにさざ波が立ちます、確かに。何につけてもそうだが、世の中、自分一人が生きているわけじゃない。改めて言われなくても、でも言われないと気付かない自身がいます。やっぱり生き方難しい。それにしても、「人殺しの手」、このフレーズが多すぎて、ちょっと鼻につきます。単なる人情ものではないドラマ、ここが惹かれる所以。

2015/06/07

まさきち

商店街にある古びた喫茶店・珈琲屋を舞台にした温かいお話を集めた短編集。今回は特に分け合って人を殺めてしまった店主・行助の手を中心に展開されていたとの印象が強く、読み進めるにしたがってそこまで自分を追い詰めないでと声をかけたくなってしまう気分でした。そしてラストの事件の後、行助と幼馴染の冬子の関係がどうなっていくのかが気になってしまい、ぜひとも続編を早く手にしたいと思っております。

2015/12/01

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