死に向かうアダージョ 新装版 (双葉文庫)
死に向かうアダージョ 新装版 (双葉文庫) / 感想・レビュー
アッシュ姉
不倫に陥った男女が望んだのは三角関係の静謐な終焉だった。甘美な充足感のなかで二人が向かったのは冬の山小屋。これまた私の理解を遙かに超えたカップルで『恋』と似た内容なのか、はたまたもつれにもつれる連城さんのような展開になるかと思ったら、意表を突いてきて小気味よかった。共感も納得もできないけれど、疾走感や爽快感があって不思議と面白かった。
2018/05/24
ぐうぐう
既婚者である男と、絵画モデルの女の許されざる恋は、二人を心中へと誘う。物語は、すでに心中場所の山小屋へと向かう場面から始まる。恋を成就させるための美しき心中は、思いがけない人物の乱入で、予想外な展開を見せる。言わば、『ロミオとジュリエット』を裏返したような構造を持つ物語は、ミステリとしての仕掛けを周到に配置していて、その点でも充分に楽しめる小説となってはいるものの、作者(そして読者にとっても)の最大の関心事は、主要人物の心理そのものだ。(つづく)
2018/07/11
coco夏ko10角
真冬の山小屋で心中しようとした不倫カップル、物語は静かに始まり二人にとっての美しい終わりが迎えられるかと思いきや…。途中で予定外のことが起こりさらにまさかなこともあり、どうなっていくのかとハラハラ。面白い心理サスペンスだった。
2021/02/03
James Hayashi
直木賞受賞前の作品なので、著者の初期の作品といえよう。不倫はいいとして三角関係、カセットテープなど最近は耳慣れない言葉も散見される、ちょっと古めかしい作品。
2020/01/02
のぼる
小池さんの巧さに最後までグイグイ引っ張られたが、最後数十ページで、他にも色々なエンディングが作れそうで、自分としては、他のものを見たかった。
2019/01/23
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