境遇 (双葉文庫)
境遇 (双葉文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
最大の敗因は、全体のプロットが、読み始めでボンヤリと見えてしまったところ。それを差し置いても、読み易さとリーダビリティーはさすがの湊さんであった。どうやらはじめにドラマありきだったようで、上高地で撮影されたというそれは、なにをさて置いても観てみよう。松雪泰子さんめっちゃ好きだしな。
2018/06/03
さてさて
『施設の子どもは、存在自体が非常識ってこと?』こんな問いかけから、愛人男性と別れた晴美。自分と同じように施設で一時期暮らした境遇を持つ陽子とは強い絆で結ばれていると信じています。『こう平静でいられるのは、陽子の母性が、自らの境遇ゆえに欠けているからなのか。それとも、境遇ゆえに人並み以上に強く備わっているからなのか』。「母性」に繋がる「境遇」、人が人として生きていく中で、その基本となるべきものがどう形作られるのか、どう形作られていくのか。湊さんが答えを模索されている様子が垣間見えるとても興味深い作品でした。
2021/09/07
NADIA
「夜行観覧車」を読んだ後なので、「イヤミス」度は限りなくゼロに近いように思えた。逆に良い人過ぎる登場人物が多いとも。その所為か、先に読ませるパワーは前回の「夜行観覧車」の方が強かった。ストーリーもラストも印象深いと感じなかったので、既読を忘れてまたうっかり借りてしまいそう(^^;
2016/09/29
やま
イヤミス度は低め。陽子の息子が誘拐されたことをきっかけに、彼女の境遇が明らかになっていく。湊かなえ得意の、2人の登場人物それぞれの立場からストーリーは描かれていく。文体に違いはあるものの、信頼できない語り手にはならず、普通に読み進めていって問題ない。伏線なのかミスリードなのかいろいろと考えながら読んでいった。最後は湊かなえらしからぬ、すっきりとした読後感になった。
2015/10/25
コロンボ
ストーリー展開も結末も湊かなえ作品としては、チョット物足りなさを感じた。最初から、期待しすぎたせいでしょう。絵本の「あおぞらリボン」は、イイ話だった。
2016/01/12
感想・レビューをもっと見る