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私の何をあなたは憶えているの (双葉文庫)

私の何をあなたは憶えているの (双葉文庫)

私の何をあなたは憶えているの (双葉文庫)

作家
小手鞠るい
出版社
双葉社
発売日
2015-11-12
ISBN
9784575518375
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私の何をあなたは憶えているの (双葉文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

ガラスの小瓶に詰められた白い毛糸が何かを訴えてかけるように、そして「私の何をあなたは憶えているの」という書名が行き場のない問いを発するようにも感じる何とも読む前からもどかしさを感じさせるこの作品。そこには、三人の主人公の人生が交錯する物語、茫洋とした物語の先にミステリーな展開が読者を惹きつけてやまない物語が展開していました。一見読みづらいと感じる物語が、途中から一気にミステリーな物語として、読者の前にはっきりと姿を表すこの作品。小手鞠るいさんの作品は、ミステリーでさえ美しい、そんな風に感じた作品でした。

2022/06/29

優希

大人の香りが漂っていました。帽子屋を営むつぐみ、余命短い編集者・洋司、夫のある身で「S」なる人物に想いを寄せる由貴子。3人の人生が折り重なる日常の中で「好き」という気持ちを隠しているうちに5年の月日が流れますが、年月が変えていくものは大きく変わるものだと思いました。したたかで激しく紡がれていく波に呑み込まれます。過去の記憶と新しい記憶の中で描かれる死。男性の心、女性の想い、そこに何か真実が隠されているような気がしてなりません。恋愛小説の中にミステリーが埋め込まれているような感じがしました。

2016/04/29

青蓮

つぐみ、洋司、由貴子の3つエピソードに同じモチーフや言い回しが繰り返し登場することで記憶と虚構が溶け合い、焦点に不思議な像を結ぶ。登場人物の誰に感情移入するかで、物語の味わいがガラッと変わる万華鏡のような作品。何が真実であるかはきっとあまり関係ない。誰かを愛するということは、こんなにも切なく狂おしい感情なのかと津波のように迫ってきます。「人の苦悩は常に、家族、夫婦、恋人、友人というような『愛と信頼のある、あるいは、あるはずの関係』のなかから生まれてくる」これは真理。愛した分だけ、その憎しみもまた深いのだ。

2016/12/08

キムチ

3人の間に流れる時間は「わずか」5年。若い頃は僅かでも歳が行くと、一瞬の感覚。小手毬モノは、読む年代により、プリズムの様に煌めきが異なる最たる手触り。中年期に読むと深読みしちゃって薄い1冊なのになかなかの屈折ニュアンス。つぐみ・洋司・わたし・・全体としてはミステリータッチなのに、結構自意識過剰の人物ばかり。1人称と3人称が入れ子になり いい色模様の綾を成している。ある時はペシミスティック、そして妄想、狂気。でも人はいつしか肉体は朽ち果て、死に向かう存在と捉えるとラフマニノフやフィッツジェラルドのBGM・

2018/09/24

coco夏ko10角

つぐみ、洋司、由貴子の物語。由貴子の話って必要だったのかな…、いっそ失くしてつぐみと洋司をじっくりやって深みをもたせた方がよかったのでは?なんて思ってしまった。内容紹介によると恋愛ミステリーとのことだけど、どの部分がミステリーなのか分かってないので仕掛けを理解できてないのかも…。

2017/03/24

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