山あり愛あり (双葉文庫)
山あり愛あり (双葉文庫) / 感想・レビュー
かんちゃん
自分の生き方に信念とこだわりを持つ。そんな人たちの物語だ。だが、決して歴史上の傑物たちのことではない。巷に溢れる普通の人たちだ。心の底に固い痼となって居座る体験。これを乗り越えたいという思いと半ば諦める気持ちが同居する。クライマックスでは視界が滲んだ。身近なところにある愛情を再認識する物語だ。
2016/02/25
yoneyama
再読です。北大山岳部で山を登ってヒマラヤにも登った主人公がバブル末期に都市銀行に就職して山をやめ、バブルの不良債権をひたすら片づける仕事を務めたあと、40代半ばで仕事を辞め・・・という話で、全く登山小説ではないのだけれど、同時代の作家が、同時代を生きたおそらくたくさんの惠迪寮生たちの人生で構成したフィクション・・かもしれません。銀行に行った連中は、多分、こんな風に90年代以降を送ったのだろうか。
2021/02/16
悠
「山に向かって姿勢を正す」。学生時代にのめりこんでいた登山からはなれ、金融の世界に身をおく主人公が、みずからを奮い立たせる座右の銘にみちびかれて、かつて思い描いていたものとは似ても似つかない日々を送っている我が身をかさねあわせていた。あのころの自分に恥じない生き方ができているか。なにかに打ち込んでえられた経験は、別のフィールドに移っても、生きる規範となって、だれよりもきびしい目をむけてくる。著者にしては思い切ったエンタメ寄りの筋立てに驚いたけど、初心にかえって働くことの意義を見つめなおす良い機会になった。
2016/03/30
hasami1025
佐川さんの本は毎回迫力を感じます。色々と考えさせられます。そこがとてもよいのですが、アクセントの山の描写が思いの外素敵だったので、今度は佐川さんの冒険小説を読んでみたくなりました。書いてくれないかな~
2016/02/22
のりこ
題名のとおり、主人公はいかにも山登り好きな感じに表現されている。筋書きもよく、サクサク進んでいたが、最後は、ちょっと残念でした。 それにしても、この題名は、ちょっと昭和の香りで、違う方が良いと思います。
2022/09/13
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