乙霧村の七人 (双葉文庫)
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乙霧村の七人 (双葉文庫) / 感想・レビュー
ナルピーチ
乙霧村という小さな山村で一家五人が1人の男によって惨殺され、その男も斧で頭部を割られて死亡した。それから22年後、大学のサークルメンバー六人がこの村を訪れる。大粒の雨が降りだし闇夜が近づき…そしてあの男が現れる。彼等にとって戦慄の一夜の幕開けだ…。 あのホラー映画の名作を彷彿とさせるシーンが特徴的、閉塞された空間、迫りくる恐怖、逃げ惑う臨場感はまさにホラーの醍醐味。後半は主要キャラの回想録が主となっているがまさかのミステリー要素、気を抜いてたので見事に騙されつつも個人的にはホラー特化でも良かったかな。
2020/11/15
hideko
初読み作家さん。新聞の新刊案内買い。 昔、乙霧村である男が一家五人を惨殺する凄惨な事件が起きた。それから二十二年、事件を題材に小説を執筆した教授が顧問を務める大学のサークルメンバー六人が村を訪ねる。 そこで待っていたものは… この学生達がクズばかりでイライラする。 二十二年前の事件の再来のように謎の斧男に襲われるシーンは中弛み気味。 この男の正体もすぐに判ったし。逆にコイツ等ピンとこないのか?…とやっぱり物見遊山の馬鹿ばかりだと呆れた。 ラスト付近はそういう事だったのかと納得。
2017/10/27
イアン
★★★★★★★★☆☆表紙のホラー感が印象的な伊岡瞬の長編。22年前に一家惨殺事件の舞台となった乙霧村を訪れた友里ら学生6人は、そこでかつての殺人鬼に似た斧を持つ大男に襲われるが…。ホラーなのかミステリなのか分からぬまま読み進めたけど、迫りくる恐怖を原動力に高いリーダビリティで読ませる筆致はさすがの一言。集落の位置関係が分かりにくいため見取り図が欲しかったのと、終盤のトリックが物語の本筋に絡んでこれば尚良かった。途中までは映像映えしそうな話だなと思いながら、脳内で再生される隊長はなぜか笑い飯の坊主頭でした。
2021/01/24
モルク
22年前に「乙霧村の惨殺」として一家5人を殺し自らも斧で頭を割られるという事件がおきた地に、大学のゼミ生6人が訪れる。そしてそこで斧を持った怪人に追われるという第1部とその謎解きの第二部からなる。それぞれに癖のある大学生たちであまり好きにはなれないが、インタビュー形式で謎を解いていく。いくらかの違和感も多く、主人公の友里さえもそうだったのか。でも、なかなかあり得ないよなあ。全体的には一気読みで面白かったのだが、ちょっとモヤモヤが残る。
2019/08/18
JKD
二十二年前に乙霧村で起こった凄惨な殺人事件。第一部ではその跡地を訪れるチャラい学生たちが斧を持ったジェイソン級の怪人に追いかけ回される。第二部では追いかけ回される原因となった横溝正史ミステリ風の複雑な家系図や怪人の生い立ちが解き明かされる。いたってシンプルな構成だが、作品の背景には情報に溢れる歪んだ現代社会を痛烈に批判している。後半、登場人物の意外な正体が明らかになっていくところが面白かったです。
2021/05/05
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