ブラック・ベルベット (双葉文庫)
ブラック・ベルベット (双葉文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
神原恵弥シリーズ第3弾はトルコを舞台に「人が黒いカビに覆われて死ぬ」という奇妙な噂と「究極の麻薬」に絡む陰謀に振り回される恵弥…謎が謎を呼ぶサスペンスは面白いし、紀行ものとしても情景が目に浮かび、異国の匂いが漂ってくる。難点は人間関係が前2作を読まないと判り辛いことと、『MAZE』にあったホラー風味が残っていた方が盛り上がると思えたこと。個性的な「キャラもの」シリーズとしては確立したと思う(今回はエディがgood)。謎解きとしての深みはないが、恩田さん独特の「世界紀行ミステリ」として続くことを期待したい♬
2019/06/28
相田うえお
★★★☆☆18077 シリーズ3作目。T共和国が舞台です。世界でTで始まる共和国は?タジキスタン共和国、トーゴ共和国、トリニダード・トバゴ共和国、で、トルコ共和国。本作品、国名などは『T』と ボカしてるのに、なぜか作品内でトルコ人とかトルコ航空,イスタンブールという固有名詞がバンバン出てくる...謎だ!(ちなみに共和国って、国民全体で国家を所有する様態、つまり君主が存在しない国〜。)さて、本作品はとにかくトルコに行きたくなる作品でした。(カッパドキアとか)個人的にはMAZEの不思議さがやっぱり好きかな。
2018/09/11
えにくす
神原恵弥シリーズ第三弾。東洋と西洋の交差点、T共和国のイスタンブールで、一人の女性が殺される。読者はたちまち異国に飛ばされて、主人公と共に否応なく物語の事件に巻き込まれる。そこで夢の鎮静剤や黒い苔に覆われた死体、元恋人の橘の秘密など、ミステリー冒険活劇の物語が展開する。第一作の主人公時枝満が脇役として、久しぶりの登場。視点が変わり楽しめて読めるが、終盤の謎解きが読者は呆気ないと思うだろう。話が大きくなり過ぎて、回収するにはこれしか無かった。その代わり恩田作品にしては珍しく、謎は全て解けて無事シリーズ終了。
2020/05/19
aki☆
シリーズ3作目。前2作の登場人物が勢揃い。舞台がトルコなので満と元カレ橘くんと恵弥の3人が揃うのは出来すぎ感があったけど、つくづく満は良い奴だし恵弥とのコンビは最高で、『ブラック・ベルベット』って何?『アンタレス』って誰?とラストで種明かしさせるまで分からない状態だったけど恵弥や満と共に観光地巡りを楽しみ、イライラとハラハラを楽しめた😅。3作を続けて読めたのも良かったかも。忘れないうちに続編が出てくれたら嬉しいな💕
2019/07/14
とろこ
シリーズ物だと知らずに、第三弾となるこの作品を最初に読んでしまった。が、問題なく楽しめた。外資系製薬会社に勤める敏腕ウイルスハンター、神原恵弥。読み始めは、彼がオネエ言葉を遣うのに馴染めなかったが、バイであると分かってからは気にならなくなった。体が黒い苔に覆われて死ぬという噂。「アンタレス」と呼ばれる謎の男からの呼び出し…。高校時代に恋人だった橘との再会…。様々な要素が混沌としているが、恩田作品にしては珍しく、現実的なミステリ色が強かった。ラストも、恩田作品にしては珍しいクローズドエンドだった。
2018/12/27
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