拳に聞け! (双葉文庫)
拳に聞け! (双葉文庫) / 感想・レビュー
のり
立ち退きを迫られる「ボクシングジム新田」。選手は息子の「勇気」一人だけ。父親でジム会長の「貞次郎」は金もなければ協会にも顔が利かない。偶然ジムの前で知り合った訳ありの「優香」と便利屋の「省吾」は新田ジムを支える立場となる。勇気はセンスもあり金の卵でもある。脇役達も大阪ならではのボケ・ツッコミがあり和ませてくれる。デビュー戦からタイトル戦までの成長記でもある。減量の苦しみはハンパない。近年の「井上尚弥」以外の試合を観るより、よっぽど熱が入る。
2019/03/11
TAKA
舞台も人物もコテコテの大阪やないですか。この舞台ならこうなるいう掟みたいなもんがあってネタやないけど笑かす精神と浪花人情が合い被さって面白くないわけがない。ボクシングと芸人というありそうでない組み合わせやけどなんもかもが暖かかった。勇気がめっぽう強うないけど試合のシーンはハラハラしながらものめり込んでしまいます。浜省の曲が頭ん中で回ってました。よう笑かしてくれたし最後は泣かしてくれたな。この本もっと読んで欲しいですね。
2022/05/31
里愛乍
『罪の声』がシリアスな社会派メジャー小説なら、こちらは関西ローカル吉本新喜劇である…というくらいの差を感じた。どちらの小説も真っ向からそのジャンルを貫いている。このテンポ、このノリ、巧妙な惚けたセンス、そのくせちょっとお涙…の後のボケとツッコミ、全て余す事なく詰まっている。この小説を一言で表してるのが『湾岸スキーヤー』を選曲するセンスだ。メジャーなのかマイナーなのか微妙なズレ…私はゴールデンタイムの全国放送よりも、深夜ローカルの方が遥かに好きな番組が多いです。本書はそれに似た面白さを味わいました!
2019/11/11
ヤジマ
主観点 9.0/10 塩田さんの作品は本当にはずれがない。とはいえまだ数冊しか読んでいないのだが、どの作品にも魂に訴えかけてくるようなメッセージ性がある。勇気の飽くなき挑戦には心を震わされ、大舞台での奮闘には涙を余儀なくされた。拳に聞け――。最後には積み重ねたものを信じ切るほかないという点は、ボクシングに限らずあらゆる職業における摂理だと思う。現に単細胞な自分は今「俺も頑張らねえと」となっている。夢を追うにあたって遅すぎるという期限はない。全ては己の意思でリングに上がるか否か。本書を読んで判断すべし。
2022/11/01
GAKU
うーん、勇気にも省吾にも、今ひとつ入り込めなかった。
2022/11/12
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