NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫)
NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
NHK国際放送(現在18言語で放送)選の第1弾。8人の作家を取り上げる。既読の作品もあるが、こうしてアンソロジーで読むと、また違った輝きを見つけたりもする。一頭地を抜くのは小川洋子の「愛されすぎた白鳥」。しかも小説のスタイルがグローバルであり、翻訳にも適していそうだ。次いでは宮下奈都「アンデスの声」。以下及第点が角田光代「鍋セット」、重松清「バスに乗って」、東直子「マッサージ/日記」(登場順)あたり。東直子の作品は、手法が全く違うにもかかわらず、そこから受ける印象が重松清のそれにそっくりであった。
2022/04/01
しんごろ
豪華な人気作家8名の短編集。東直子さん、宮下奈都さんの短編は別作品で既読済みでした。そして、天の邪鬼が発動して読んだことない作家が2名。初読みとなりました。国営の国際放送で朗読された作品とのことで。国語の教科書的なお堅い短編ばかりかなと思っていたけど、いやいや、どれも心地よくて読後感は爽やか。素敵で幸せな読書時間を味わえました。
2022/01/06
やすらぎ
たった10分でも人は夢心地になれる。…躓くとそこには本がある。答えのない社会にうちひしがれている私を本は慰める。不思議な本との物語。…空にあるものすべてを映し出すほどに美しい。もう一つの空があるのかと思うほどの湖。音もなく滑る白鳥。朝露に光る白羽の美に心奪われる。…懐かしの上京物語。本当は母に帰ってほしくなかった。狭苦しい部屋に戻りたくはなかった。誰しもがそこから、新しい人生を歩み始める。…車内灯の明かりを見送る少年。かろうじて西の空に残る夕陽も、あとしばらくすれば見えなくなるだろう。…その他6話を収録。
2022/03/06
いつでも母さん
読友さんのレビューに誘われて。『1日10分のしあわせ』はタイトルに載っていなかったが・・8名の作家さんのラインナップが嬉しい。どれも良いが中でも朝井さん、重松さん東さん、宮下さんが特に好み。ラジオから世界中の方はどんな感じに聴くのだろう。
2020/11/18
harupon
8人の作家さんによる「しあわせ」を感じさせてくれる短編集。なかでも、角田光代さんの「鍋セット」、坂本司さんの「物件案内」、重松清さんの「バスに乗って」は、私をにっこり笑顔にしてくれた。今は、“しんみり“より“ほっこり“するお話が読みたい今日この頃。
2021/02/17
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