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罪のあとさき (双葉文庫)

罪のあとさき (双葉文庫)

罪のあとさき (双葉文庫)

作家
畑野智美
出版社
双葉社
発売日
2019-11-13
ISBN
9784575522839
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罪のあとさき (双葉文庫) / 感想・レビュー

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machi☺︎︎゛

カフェでアルバイトをしている楓、そのカフェで使う家具を作る工房で働く正雄。2人は同じ中学の同級生だった。久々に会った2人はそこからまた交流が再開していく。だけど楓は自分の気持ちと過去に正雄が起こした事件に揺れ動いていた。楓からみた過去と正雄からみた現在。想像でしかなかった憶測と本当に起こった事実、その違いから2人の新しい世界が始まる。あとさきのもっとその先が明るいものでありますように。

2023/09/28

アッシュ姉

著者六冊目。淡々と静謐な語り口なのにざわざわ粟立ち、わさわさ落ち着かなくなるほど感情が揺れる。不快ではなくて身を委ねたくなる心地よさを覚えるが、油断すると取り込まれてしまいそうな怖さも感じる。何度か深呼吸しながら読み進めると、語り手に同化して心が動く。理解や共感ではなく、自分だったらどうかと考える隙間がないのだ。最後の一言に安堵の溜め息が漏れ、ふと我に返り不安の波が押し寄せた。迫力や熱量とは真逆の筆致でありながら、独自の世界観にいつも飲み込まれてしまう。畑野さん恐るべし。

2020/04/24

ベイマックス

デビュー作『国道沿いのファミレス」や「海の見える街」を読んでいたので、この作は意外だった。色々と考えながら読み進んだ。罪を犯した者のその後の人生とか、差別とか理解するとか信頼とか。他人事だと理解したかのように言えるのかもしれないけど、身近に、友達や家族のこととなったら感情が先に来るのだろうなとか。◎うん、いい作品だったと思う。◎出産後とか、濱川の帰国後とか、続編があるといいのにな。 ◎佐山みたいな奴に罰が当たらないのがムカつく。

2020/03/24

dr2006

人を殺した人と付き合うのは避けたい?本当に更生したと信じられるか?重い課題に取組んだ作品。安全地帯で綺麗事にまみれ生きる者に深く突き刺さるのではないだろうか。中学生の時に同級生を殺した卯月正雄は更生し、今は故郷から遠く離れた横浜の家具工房で働いている。彼は当時同級生だった渡辺楓と再会するが、卯月の罪を知る楓との「あとさき」は深い信頼がないと成立しない。卯月を信じ支えようとする楓の姿に心打たれた。業を背負った卯月が周囲から受けてきた辛い磔刑が彼を変えたに違いない。大丈夫、そう自分も信じたい。読めて良かった。

2022/09/07

mincharos

「消えない月」を思い出した。ストーカーシーンの空気感がまるで似すぎていて。本作はストーカー要素に加え、中学時代に殺人を犯した同級生を受け入れることが出来るか?と、薬丸作品「Aではない君と」な内容にまた色々と考えさせられた。卯月くんの子供時代の家庭環境も色々と複雑で、殺した相手の永森くんもまた、、とだんだん明らかになる殺人の理由。。でも私だったら、、芽衣子よりな考えにどうしてもなってしまうなぁと。発達障害や長期不倫、色んなところが心配になりつつ、、メインテーマな部分ではやはり薬丸作品の方が読み応えがあった。

2020/07/09

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