1日10分のごほうび NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫)
1日10分のごほうび NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
NHKのラジオ番組WORLD=JAPAN(現在は18言語で放送)が選んだ8人の作家のアンソロジー第2弾。赤川次郎、田丸雅智、森浩美は初読。また「妻が椎茸だったころ」、「誕生日の夜」、「みどりのゆび」は既読。いずれも掌編あるいは短篇で朗読すれば10分くらいなのだろうか。長さ以外にはどのような基準で選ばれたのかはわからないが、私見では江國香織の2篇と再読ながらやはり中島京子「妻が…」が一頭地を抜くか。吉本ばなな「みどりのゆび」がこれに次ぐだろう。角田光代はそこそこ。原田マハと森浩美は通俗的に過ぎる。
2022/03/21
夢追人009
NHKのラジオ放送が世界に向けて翻訳し朗読した作品集とあって心が洗われる読み心地でしたね。本書収録の8作家の全12編の中で私が一番感動したのは「最後のお便り」でしたね。『仕事始め』赤川次郎:明日一月四日からいよいよ会社の仕事始めだったが私は休みの6日間をほとんど外出せずに食事も近くのファミレスで済ませ狭い独り暮らしのアパートでテレビばっかり見ていた。すると玄関のブザーが鳴り母が振袖を持って来てくれた。だが真にタイミングが悪い事に、実はうちの会社は今年から初出社からいきなり普通に働く事に方針変更されたのだ。
2022/05/08
やすらぎ
いつまでも愛されている私。ふいに襲われた寂しさの先に。仕組まれた愛の深さ。老いを受け入れ懐かしさに触れる。それぞれにないものを欲する。いつまでも待っている本。潮香るグラスに故郷が浮かぶ。見上げる空には銀杏色の雲。あなたを支えた見えなかった思い。親友との遠いつながり。母の気持ちに勝るものはない。アロエの花を祖母に捧げる。…以上、全12話を収録。花を買うのは、お金ではなく心の余裕が必要だと祖母は言っていた。春の便りとともにあなたの声が心に響いてくる。今もどこかで私を見守ってくれている。聴こえたよ。ありがとう。
2022/01/10
ひさか
2020年3月双葉文庫刊。シリーズ2作目。NHK WORLD-JAPAN のラジオ番組で、世界17言語に翻訳して朗読された中から、赤川次郎:仕事始め、便利な結婚、代筆、江國香織: 晴れた空の下で、江國香織:南ケ原団地A号棟、角田光代:旅する本、田丸雅智:海酒、綿雲堂、中島京子:妻が椎茸だったころ、原田マハ:誕生日の夜、森浩美:最後のお便り、吉本ばなな:みどりのゆび、の8名、12作品を収録。良い話が多く楽しめました。朗読を聴いてみたくなります。
2021/01/10
舟江
短編は、何をどう描くか分かりやすい。切れ味が良かったのは、原田マハ。同性の友人の関係を上手く描いてた。
2021/09/07
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