遥かに届くきみの聲 (双葉文庫)
遥かに届くきみの聲 (双葉文庫) / 感想・レビュー
しんごろ
元子役の朗読を通しての再生物語。朗読の大会なんてあるんだ。全くの無知なもので知らなかった。遥、梨花、水希、三者三様の優しさが、透の過去の辛い出来事をを乗り越えさせたね。そして、透が改めて朗読が好きだと認識できて良かった。べったり馴れあいの仲良しでなく、一緒にいて心地良い仲間。そんな仲間を羨ましく思う。言いたくないけど言ってしまう。うーむ、青春だね。読み終えて、このタイトルに納得。読んでいる自分にも君達の聲が届いたよ。
2020/12/09
黒瀬
おぉ、遥かに届く。遥かに、ねぇ。朗読を軸に据えた、まさに声に出して読みたい青春小説。かつて天才子役と呼ばれていた透を朗読の世界に引き戻した遥。声を失った透に遥がこだわる理由とは-- もう少し序盤から伏線を入れていればと思う箇所もありましたが充分にドラマチックな展開でした。答えや解釈を自分で探さなくてはならず、導き出したルートが審査員・観客受けしないかもしれない朗読の難しさたるや。こうして見ると憧れと執着は紙一重なのだな、と。青春小説好きにはオススメ。
2020/09/26
ゆみねこ
大橋崇行さん、初読み。朗読部、部活動にも色々あるけれどこのジャンルのものは初めてでとても新鮮。元天才子役の小宮透は過去を隠して高校生活を送ろうとしていたが、沢本遥にしつこく「朗読部」に誘われる。序盤は遥のキャラに馴染めずに苦戦したが、コンクールに向けてのシーン辺りから一気に盛り上がって面白くなった。近藤さんの「ちいちゃんのかげおくり」聴いてみたいな。
2020/11/14
ゆのん
『朗読』を題材にした青春小説。数々の名作が作中に登場する。絵本や古典。一般的な解釈あり、独自の解釈ありでとても興味深った。『朗読』をするには解釈はもちろん、人物やナレーションの演じ分け、区切りや間、演出などとても奥の深いものだと初めて知った。主人公もヒロインも辛い過去を経験している。乗り越える事の出来ない程の傷を負っている。それでも、その経験があったからこその『朗読』なのだろう。傷を負った分だけ強く、優しく、繊細になれる。そんな人の『朗読』だからこそ、聴衆の心に届く聲になるのだと思う。212
2020/09/15
ムーミン
満足。朗読の深さを知りました。今まで読んできた作品ばかりだったので、その解釈も含めて、自分も自分の朗読をイメージしながら読むことができました。
2020/11/02
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