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さらさら流る (双葉文庫)

さらさら流る (双葉文庫)

さらさら流る (双葉文庫)

作家
柚木麻子
出版社
双葉社
発売日
2020-09-09
ISBN
9784575523942
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さらさら流る (双葉文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

懐かしいシーンの数々から物語は始まった。どうやら「渋谷駅から青山通りを上ったところにある大学」に在籍したふたりが主人公らしい。渋谷には暗渠化した川があちこちに流れていることを、同大学出身の堂場瞬一さんの作品を読むまで、わたしも知らなかったのだが。主たるモチーフは、いわゆるリベンジポルノ。被害者となってしまった菫の葛藤と再生までの日々。わたし自身「お別れ」が上手ではないので、いろいろ過去を思いながら一気に読了。加害者側の「元彼」の心理描写さえも上手いのが、柚木さんスゴいところ。

2021/01/11

さてさて

『誰にも知られたくない一瞬が、世界中で見られるアルバムに記録され、未来永劫、菫を責め続ける』という厳しい現実に葛藤する菫が『私、自分の裸を取り戻したいの』という思いへと一歩ずつ歩みを進めていく様を見るこの作品。『暗渠』という存在を物語世界に重層的に重ね合わせながら、主人公たちの心の在りようを細やかに映し取っていくこの作品。再び前を向くことを力強く宣言する菫の眼差しを感じるこの作品。ネット社会の怖さを改めて感じるとともに、人が再び立ち上がっていく姿の力強さ、美しさ、そして尊さに心囚われた、そんな作品でした。

2022/02/09

SJW

内容を確認せずに買ってしまったら、苦手なストーリー。コーヒーチェーンで働く菫(すみれ)がリベンジポルノを流出され、自分の写真をネットで見つける。親友、家族、弁護士に助けられ写真を削除していくが、被害者、加害者、友達、家族の苦しみ、後悔、自分への否定が綯い交ぜになり、読んでいる方も苦しくなっくる。渋谷、代々木八幡、初台に流れる見えない水路(暗渠)を歩きながらの思いはその流れを象徴しているよう。最後に前向きに進むことができるようになった菫にほっとした。

2021/07/18

柚木さんの小説にしてはやや読みにくさもあったし、表紙やストーリーでイメージしていた内容と少し違っていました。百合ちゃんみたいな親身になってくれる友人がいると良いな。菫はたまたまネットで自分の写真を発見したけど、ネットに上がっていることすら知らない人もいっぱいいるのだろうな。他人の軽率な行動が、過去の自身の行動が、こうも家族や職場や友人に、色んな人に影響が出るとネット社会は恐ろしいなと思いました。

2020/11/04

hit4papa

元恋人に撮らせた裸の写真が流出してしまった女子。いわゆるリペンジポルノものであり、娘を持つ自分としては怒怒怒となる作品です。初々しい学生時代の交際を経て別々の道を歩んだ男女。恋愛の引きずり方の男女差は共感できなくもありません。晒された女子の苦悩がリアルでそれを知った父親の気持ちも痛々しいですね。元恋人は、過去の戯れを、何故、時を経てデジタルタトウー化してしまったのか?逞しい女子とヘナチョコ男の結末は、真相が判明する途中経過を含めて、なんだか期待してたものと違いました。読後感は悪くはないのですが…。

2021/04/08

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