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やさしい夜の殺意 (双葉文庫)

やさしい夜の殺意 (双葉文庫)

やさしい夜の殺意 (双葉文庫)

作家
小池真理子
出版社
双葉社
発売日
2020-12-10
ISBN
9784575524284
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やさしい夜の殺意 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

小池さんの小説は、安定しているから安心して読めます。5話の短篇集ですが、構成組立ての巧さに加えて男と女のドロドロした話も、不安と緊張感を抱かせながら、スカッと読ませてくれます。表題作は、タイトルに据えた作品だけに、男女の感情の駆け引きのアヤが巧く描かれていて面白い。私的には【それぞれの顚末】が好きです。人間は概して窮地に立つと、悪い方に考えてしまいがちです。或る夫婦が偶々、自分も乗る飛行機に爆弾を仕掛ける不審者を、空港で目にします…。そして、 意外な結末が待っています。

2021/03/30

キンモクセイ

平凡な日常生活の中に潜むブラックな出来事。それはある日突然やって来る。「やさしい夜の殺意」家を飛び出し向かった先は13年も疎遠だった兄の所。ここに来なければ誰も不幸にはならなかったのに。「それぞれの顛末」場所がモスクワ空港もブラックだ。これがハワイやグアムだったら考えもしない。同じ飛行機にスパイ疑惑の女性と10時間も同乗は耐えられない。その中で2組の男女の腹黒さも顛末もブラック。「青いドレス」執行猶予中の男に事故を見逃す条件はサスペンスの王道。青いドレスだけじゃなくて爪の色まで抜かりなく。そこ大事だから。

2021/09/10

カブ

ボタンの掛け違いか、選択の誤りなのか、ちょっとした違いで不幸にみまわれる主人公たち。まるでオムニバスのドラマを観ているような5編の短編集です。どのお話も最後までドキドキしました。

2021/01/10

ぐうぐう

『やさしい夜の殺意』は、1990年に単行本が刊行されている。ミステリ作家として脂が乗っている時期の、実にバラエティに富んだ短編集だ。特に、コメディとして読める「それぞれの顛末」は、執筆の数年前に起こった大韓航空機爆破事件から着想を得ていて、その怖さに現実感があるからこそ、コメディとなり得ている。どの作品もシニカルな展開が待ち受けているが、それは小池真理子の人間観察(と同時に、人間への興味)の賜物だろう。

2022/04/13

アコ

5篇収録のサスペンス短編集。1993年刊の中公文庫の新装版。どうしても時代を感じる描写は多いけど(例:登場人物の名前、女性たちの控えめな立ち振舞や飛行機の喫煙環境など)読みやすいし、情景が目に浮かんでくるのはさすがといったところ。どの篇もちょっとしたズレが物語のキーとなっており、中でも『青いドレス』のものが印象深い。『それぞれの顛末』もよかった。※神秘的な表紙絵は青依青さん

2021/08/08

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