未来 (双葉文庫)
未来 (双葉文庫) / 感想・レビュー
JKD
「未来からの手紙」というカラクリよりも、重厚で緻密な物語の構成に圧倒されました。とくにエピソードⅠからの怒濤の展開とⅢの衝撃は圧巻。すべてを終わらせるために、過去を消し去るために、自宅を放火する心情が辛く切ない。それぞれが経験してきたことの先には必ず未来がある。読み終わって鳥肌立ちました。
2021/08/25
fwhd8325
湊さんはあまり相性のよくない作家なのだけど、この作品は面白いと感じました。今まで、どちらかというと無機質な印象でしたが、この物語には血が通っているというか、作家の熱い思いが伝わってくるようでした。そして、あとがきを読んでそれが間違っていないことを感じました。人気作家の湊さんが苦しんでいたことを書かれています。そしてこの作品への思い。遅まきながら、湊さんを注目していきたいと思います。
2021/12/23
Kanonlicht
誰だって不幸になりたくなんかない。でも、生まれた環境や大人に庇護されるべき子どもの立場では、どうにもできないこともある。「親ガチャ」という言葉に不快感を示すのは簡単だけど、世の中にはそれが冗談で済まされない子どもたちもいることを忘れてはいけないと感じた。この物語に救いがあるとすれば、どれほど不幸にみまわれようとも、まわりには必ずそれを理解し手を差し伸べてくれる人がいるということ。著者がはじめて書いたというあとがきも必読。イヤミスばかり書く人なんて思っていてごめんなさい。
2021/10/16
ゆきこっち
何なん⁉︎もう下衆な大人ばっかりで嫌になってくる。お母さん目線の語りも読んでみたかった。
2021/07/22
納間田 圭
20年後の未来の自分から一通の手紙が届いた…。それから始まる少女4人の話し。章子、亜里沙、真唯子、真珠は…それぞれが追い詰められ、それぞれが居場所がなかった。この題名なら…ここからその手紙で救われハッピーエンドな未来へ的なのだろうけど。その内容は…やはり彼女らしい強烈なイヤミス。とても平常心じゃ読んじゃいられない。耳を疑うような軽妙な口調で問われる…「おまえもやるか」って。それは…悪魔の言葉。ハンマーで一撃をくらったような衝撃が走った。さすが…あの「告白」を正統に受け継ぐという本作。読むとやばい
2021/12/18
感想・レビューをもっと見る