麻雀放浪記(2)-風雲編 (双葉文庫)
麻雀放浪記(2)-風雲編 (双葉文庫) / 感想・レビュー
ホークス
色川武大こと阿佐田哲也の半自伝。1巻は戦後すぐの10代の話。2巻は昭和26年、20才過ぎのヒロポン中毒者として始まる。戦いは関西が中心。コミカルな場面もあるぶん無惨さが際立つ。若くて向こう見ずで、強い者に勝つことだけを考える。著者を救う事になる、古風な博打うち、気丈なバーのママ、ニセ坊主と勝気な少女などが一癖あって面白い。でも彼らの気持ちは報われない。彼らの生きざまを著者の存在がどう彩ったのかは、しっかり描かれる。無一文に追い込んだ者さえ、残酷なほどに描写する。本物の感謝とは、よく見ればそういうものだろう
2023/06/13
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