会社を綴る人 (双葉文庫 あ 64-02)
会社を綴る人 (双葉文庫 あ 64-02) / 感想・レビュー
W-G
さらっと読めそうな本を物色していたら、とても丁度良さそうだったので購入。一瞬で読み終わった。読み心地や後味は悪くなく、広く受けそうな作品。社史を題材にしているのも新鮮で、読書好きの琴線に触れるものがある。リアリティを求めるような内容ではないので、細々とした都合の良さは、私はあまり気にならなかった。ただまぁ、一瞬だけ爽やかさを得られるフリスクのような本で、心に残るものも特にない。強いて挙げるならば、一人称の語り口には独特の個性があって、それでいて、読み進めながら引っ掛かりもなく、良かったと思う。
2022/10/12
さてさて
『最上製粉株式会社を綴りたかった。私にできることはそれしかない』。そんな思いの先に老舗の製粉会社の総務部に働く主人公・紙屋の活躍を描くこの作品。そこには、『文章を書く力…それが私のたった一つの能力なのだ』と考え、文章の力で人を動かしていく姿が描かれていました。上司の栗丸、営業の渡邉、そして開発の榮倉など個性的なキャラクターの存在が物語を絶妙に演出してくれるこの作品。朱野さんの筆の力が『文章を書く力』をうたう紙屋の文章の説得力をしっかりと支えていくこの作品。文章にとてもこだわりを感じさせてくれた作品でした。
2022/12/22
涼
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/10/post-b86681.html 面白かったのですが、ここまでドジな人っているのかな?最後の方の、「書く力」と比較するためでしょうが。
2022/10/12
のんちゃん
紙屋はポンコツのアラサー男子。奇跡的に三代続く製粉会社の総務部に雇われる事になる。社内は派閥もあり緊張状態。やはり仕事でミス多発の紙屋だが唯一の特技、文章を綴る事で細やかな社内改革をしていく物語。会社への不満を密かにブログに綴るOLとの絡みもありグイグイ読ませる。あぁ、会社ってこんな感じだったなぁと懐かしかった。紙屋に「君は文才と共に結構な胆力も持ち合わせているのも特技だよ」と伝えてあげたい。兄がいい人で良かった。この2人、胆力の面ではそっくりだと思う。紙屋の今後がとても気になる。会社物最高!の朱野作品。
2023/10/05
よっち
何をやってもうまくできない紙屋が家族のコネを使って就職した老舗の製粉会社。仕事のできなさに何もしないでくれと言われる彼が唯一の特技・文を書くことを活かして自分にできることを探し始めるお仕事小説。インフルエンザ告知や提案資料、社内報コラムの代筆、議事録などに文章を書くことにはこだわりを持って取り込む紙屋と、そんな彼をライバル視してブログに書いたり、意地悪してくるお互い素直になれない榮倉さんとのやりとりにはじわじわと来るものがありましたが、急展開にも矜持は失わない彼のありようにはうるっと来るものがありました。
2022/09/08
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