自由は死せず (上) (双葉文庫 か 61-01)
自由は死せず (上) (双葉文庫 か 61-01) / 感想・レビュー
みこ
板垣退助を主人公とした長編小説。前半は会津戦争の途中まででやや中途半端に終わった印象。幕末を土佐の上士の目線で描いた作品って読んだことが無かったので何だか新鮮な気持ち。天狗党や勤王党など立場はかけ離れているのに思想が近い人間の群れに興味を惹かれる様は後編での自由党結成の伏線となるのだろうか。板垣&後藤のW主演で大河が作られても良いかもと思った。
2023/03/01
春風
板垣退助という小説の主人公には向きそうにない人物を取り上げた野心作。上巻は戊辰役が始まるころまで。本書の文体は、前半がとりわけ司馬遼太郎を意識したもので、司馬独特の体言止めなどを多用しており、リズム感はまさにそのもの。滑稽みと洞察力の欠けるモノマネ文体としかいいようがなかった。あの文体だから、読みやすくはあるのだが。上巻後半くらいからはやや文体が変わってきており、戦争シーンなどは著者の地の文になってきた印象。文体が落ち着いてきたところで、下巻で自由民権運動家としての板垣がどのように描かれるか期待がかかる。
2023/01/29
ツバサ
板垣退助、名前は知っていたが、生涯については知らなかったので気になって読みました。小さな頃の破天荒さには驚いたが、行動力、知恵には下を巻きました。下巻も読みます。
2023/01/13
HaruNii
板垣退助にスポットをあてた小説やドラマを見た事なかったので、とても新鮮。軍人として幕末に活躍していた事は初めて知りました。政治家としての板垣退助の活躍を楽しみに下巻にむかう。
2024/06/29
熱東風(あちこち)
内容云々よりも文体に驚いた。もろに司馬遼太郎そのものだ。門井氏の作品は過去に何作か読んだことはあるが、そんな印象はなかった。まぁだからと言って猿真似とは言わないが。リスペクトだろう。/そういう文体なので読みやすいことは読みやすいのだが、内容的にはどうも今一つ板垣の内面が見づらい。/板垣退助を描いたのでは過去に三好徹『孤雲去りて』を読んだことがある。細かい内容は忘れたが、大河ドラマで斎藤洋介が演じていた、どこか間の抜けた印象のキャラとは大違いで、凄みがある人物なのかということだけは覚えている。
2023/11/06
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