アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿 (双葉文庫 さ 50-01)
アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿 (双葉文庫 さ 50-01) / 感想・レビュー
KAZOO
澤村さんの今までのホラーとはまるっきり異なる感じを受けました。あるウェブマガジンが様々な情報を集めていてそれについての詳細を探っていくことを依頼された記者が様々な事件に巻き込まれるということになります。7つの話があり、登場する人物も奇妙な人が多いのですが、最後にそこが明らかにもなります。最近の若い人向きな感じですが、私はやはり従来のシリーズの方が好みです。
2024/07/13
えみ
あー、これはアレだ。アレを起こしてアレして、そして落ち着くところがアレだったのか…。まさかこんな結末になろうとは誰が予想できた?最初はちょっとザラっとしたミステリィ要素を含んだお仕事小説なのかと思ったら、最後にドカンと大きな爆弾落されてやっと連作短編の全ての章にもっともっと深い意味があったことに気付く。アレが…そうかアレだったのか。と軽いショックを受ける。これは弱点だ、人の弱点と盲点を突いた「無自覚の凶行」そして「自覚ある復讐」の成れの果て。一夜にして人の人生を変えることができる怖さがヒタヒタと迫りくる。
2023/09/03
sin
(仮)スマホを操作しながら歩いていたらいきなり足をかけられて転ばされてしまったみたいな?…怪奇が絡むか絡まないのか微妙な匙加減でみせるコージーミステリーだと作者に乗せられてこっち側で楽しんでいたらあっち側に放り出されてしまったような…これは確かにミステリーだ、それも厭ミス?物語に共通する問いかけはマス・メディアの是非だったのだろうか?煽るマスコミ、乗る民衆、どちらにも共通するのは無責任の一言で、自己満足の憶測や欲求不満の解消の為の野次馬達が群がって気まぐれに他人を口撃する。人間の弱さの物語だろうか?
2024/03/19
Kanonlicht
webマガジンのライターを主人公に、取材の形で巷の謎の数々を解き明かしていく連作短編集。語り口はあくまでライトだけど、内容がオカルトめいていたり、多分にイヤミス要素が含まれるのはこの著者ならでは。各話それほど長くなく、それぞれ違った趣向が凝らされているので、一気に読める。やや力技的な展開もあるので、漫画やアニメにするとちょうどよさそうだと思ったら、やっぱりweb漫画化されてた。
2024/02/01
うまる
1話目から、興味を惹く謎と、知らなければよかったと思うイヤな真相で面白いです。無名ライターの職業ものとしても読み所があるし、変わった先輩との会話も楽しい。アレってなんやねんとつっこむこと数知れず。そんな風に気分良く読んでいる時点で、もう罠にはまっていたのですね…。毎度ある描写があったから、伏線に違いないと思いましたが、予想だにしない最終話でした。誰でも気軽に発信できて、嘘情報もガンガン受信する現代。知らず知らず加害者になる可能性と、信憑性よりインパクトのメディアに、情報の怖さを感じつつ読了。
2023/09/29
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