日本推理作家協会賞受賞作全集 58 (双葉文庫 ふ 7-2)
日本推理作家協会賞受賞作全集 58 (双葉文庫 ふ 7-2) / 感想・レビュー
NAO
レアアースが発見され骨肉の争いのもととなった荒れ果てた土地は、信仰宗教の聖地でもあり、大金が隠された場所でもあるという、何というスリリングな設定。そして、そこは、どこに行ってもその土地には何らかの伝説があるというベネズエラにあって「伝説なき地」だというのだから。最初から暴力的、衝撃的なシーンが続くサバイバルゲーム、勝ち残るのはいったい誰だ。
2017/04/19
キムチ
今回も闇、中国の存在が大きく絡んでいく・・そして育ての親・張。その名を受けての海津の死闘。これまた、闇がある香港、その駐在権。余りに芒洋としている展開が始まったものの、最初からどす黒そう。
ken_sakura
1986年、舞台はベネズエラ。主人公は誰なのか?それが分かった時には死人の数がもう分からないハードボイルド。手際良く人物を立ち上げては殺していく著者の腕前に感心しながら、下巻へ(^-^)/
2016/11/05
καйυγα
舞台はベネズエラ。読み始めすぐにはのめり込めなかったが、荒々しさと生々しさにガツンとやられた。ページを捲る速度は上がる一方だし、読み進めていくほど話のスケールに驚かされる。エロあり、死人あり、グロあり、とにかく濃密な小説だ。長ったらしいけれど、これがイヤにならない長さ。ベネズエラ、コロンビア、スペイン、そして日本。それぞれの国人のそれぞれの思惑で本書はできあがっている。レアアースが埋もれている涸れた油田地帯に隠された秘密は下巻で解き明かされるのだろうか。さぁみんな、いよいよ祭りのときだ
2015/06/27
しょうゆ
感情が高まると「殺して!」と連呼するしかできなくなるベロニカ、彼女の中に渦巻くマリアに対する嫉妬は地味に船戸作品には珍しいタイプの心理描写のような気もする。プリモの小悪党っぷりも最高だ。カエルよりも残忍だったっけか。いやあ、この頃の船戸作品は脂がのってるわ、と思いながら読み進める。とても充実している。
2018/05/05
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