大坂の陣 (双葉文庫)
大坂の陣 (双葉文庫) / 感想・レビュー
優希
戦国時代の幕引きを描いた作品でした。豊臣最後の歴史とも言えますね。知識はあっても小説として読むと、臨場感があって面白いです。一代で覇権を得た豊臣と大政奉還を成し遂げた家康。時期が違えば、歴史はまた変わっていたかもしれませんね。ただ、言えるのは大坂の陣は間違えなく歴史上の転換期なのだと思います。
2023/12/19
tako_machida
大坂の陣の復習本。特に誰それが印象に残るわけでもなく、新説が出てくるわけでもなくといった感じ。つまらなくはなかったです。
2023/02/19
茶幸才斎
慶長十六年、京の二条城で対面した右大臣豊臣秀頼の偉丈夫ぶりを目にした徳川家康は、自身の甘い考えを改める。やはり豊臣家は潰しておくべきだ。家康の執拗で狡猾な策謀により、豊臣家はなす術なく開戦に踏み切らされ、ここに、それぞれの事情を背負った双方幾多の武将らの多様な思念が渦巻く大坂城攻防戦が始まる。和議こそ得策と誰もが思いながら自分が最初にそれを口にはできないとか、手柄は立てとくべきだがやり過ぎると角が立ち危険だとか、戦争が兵法の常道に則って進むものではなく、人の思惑が混濁する不確定要素の多いものだと思い知る。
2022/11/27
Falgorou
家康最後の総仕上げ、大阪の陣は日本史においても大きなターニングポイントであると思う。ここに長きに渡った戦乱の世は終わりを告げ、世界史から見ても非常に珍しい天下泰平の世が到来するのだから、大阪の陣を読むと色々感慨深い。少なくとも豊臣秀頼と淀殿は新時代到来のための人身御供だったような気もする。物語が俄然面白くなってくるのは夏の陣、最終決戦からだ。徳川方、豊臣方、それぞれに様々な思惑を抱えた武将が決死の覚悟で決戦に挑む。為政者として非情な決断を下す家康の狡猾さに背筋が凍るような思いだった。
2022/08/10
kotori
たくさん登場人物が出てきたが、強く印象に残ったのは秀頼。大切な跡取りとして生まれながら何もできず、人知れず死への憧れを抱き続ける(しかも死を思うと高揚するという類の憧れ)ということに妙に納得してしまった。つい、秀頼は自分の宿命をどのように飲み込んで生きていたのだろうかと思いを馳せてしまう。その他の登場人物についても、当たり前だが、戦いに参加した一人一人に、それぞれの思い、人生があるということがよくわかった。他の本では同じ史実をどのように描いているのか知りたくなった。
2022/09/01
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