坊っちゃんの時代 第3部: 凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (双葉文庫 B 1-3)
坊っちゃんの時代 第3部: 凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (双葉文庫 B 1-3) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
再読。この第3部『かの蒼空に』の主人公は石川啄木。これは『漫画アクション』連載時にリアルタイムで読んだ。正直、第2部『秋の舞姫』に比べると格段に面白くない。私は若い頃、啄木にも憧れた。しかし今読むとぶん殴ってやりたい。借金と浪費を繰り返し、きちんと働かない。今ならば『闇金ウシジマくん』の餌食になる事必至の人物である。しかしこんな啄木にも絶えずお金を貸す友人がずっと居たのだ。人間的魅力だろうか?才能の故であろうか?それとも時代だろうか?。人間、金田一京助の如き友が一生に一人いれば幸せである。
2015/05/12
けやき
【再読】漫画。石川啄木の極貧借金生活。自業自得だけどねw
2023/04/17
まさむ♪ね
噂には聞いていたけれど、まさかこれほどまでとは。聞きしに勝るダメ男っぷりだ、石川啄木。無断欠勤しまくりの上に溜まりに溜まった下宿代のため給料前借り、しかし手にした金はその日の夜の浅草で活動写真に変わり酒に変わり女に変わり、あっという間に使い果たしてしまう。そしてまた借金につぐ借金。その繰り返し。でもなぜか彼は見捨てられない(金田一京助の献身ぶりが素晴らしい)、天性とも思える魅力を発揮してわたしの心を惹きつける。読後、あわてて引っ張り出した『一握の砂・悲しき玩具』。そこには付箋が色鮮やかに貼りつけてあった。
2015/04/29
yumiha
若かったころは石川啄木の短歌に共感もできたが、今はあまり好きではない。そして、この本を読んでも、その印象は変えられなかった。イマドキの言葉で言えば啄木は買い物依存症だと思う。次々と給料を前借したり借金を重ねていく姿は、読んでいてイライラする。その使い途にもイライラさせられた。夫はもちろん、お友だちにもなりたくない。そんな啄木を見守った金田一京助は、エライ!
2017/04/01
saga
主は石川啄木で、その裏に大逆事件の胎動を描くストーリー。それを支える絵が素晴らしい。しかし、啄木の金銭に自堕落な姿を見ると読んでいてやりきれず、なかなか読み進められなかった。本書では直接の啄木の死を描いていないが、彼の余命が僅かであることを知る者としては、その自堕落な借金生活が悲しく映る。あとがきを読み、啄木の詠む歌が自然主義作家を埋没させるほどのものとなる理由が判るような気がしてきた。
2013/08/14
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