KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)

作家
関川夏央
谷口ジロー
出版社
双葉社
発売日
2003-01-07
ISBN
9784575712407
amazonで購入する

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さらば火野正平・寺

再読。第4部は『明治流星雨』、幸徳秋水と大逆事件である。3部までは文学者のお話だったのが、左翼活動家の話になる。大逆事件は天皇暗殺未遂。処刑までは描かれていない。強烈なのは幸徳よりも菅野須賀子。なんでそんなに男運が悪いのか、気の毒過ぎる生い立ちである。思えば戦後の浅間山荘事件までは、終わらない幕末だったのかも知れないなぁ…と思わせられる。紀州も舞台の一つである為、南方熊楠がチラッと登場。警視庁の密偵である藤田五郎は、新撰組の斎藤一か…。しかし谷口ジローは誰を描いても鼻の下が短く顎が頑丈である。

2015/05/19

けやき

【再読】漫画。大逆事件。幸徳秋水と管野須賀子の運命について。

2023/04/19

saga

本作は第三部から3年半の後に上梓されたそうな。私も前作から時日が経過しての読了となった。大逆事件を芯に据えた群像劇で、主役は幸徳秋水なのだが、目立つのは菅野須賀子である。大逆事件は、維新を成し遂げた薩長の暴走にも見える。この世相・経済を良しとしない庶民の中から生じた「主義者」達に同情してしまう。だがしかし、当局側も主義者側も極端な思想に走ったが故の結末と感じ、日本人の気質を映し出しているように見えた。

2014/06/19

yumiha

いつだったか第1巻を読んだ記憶がある。それで手に取った。けれど、「明治流星群」というタイトルだからか?誰が誰やら印象に残らないまま流れていった人、多数。そして、不満。幸徳秋水は土佐中村の人というのは、人情の町という好印象を持っている私にとってポイントが高いのだけれど、魅力に乏しかった。また菅野須賀子の人間像も、秋水をイイ人にせんがための悪役的側面を強調しているように感じた。その時代にタイムスリップしてお付き合いさせてもらわねば、真実は分からないが、私は女性の味方なので、不快だった。

2016/11/03

みつ

『「坊ちゃん」の時代』第四部は、大逆事件で処刑される幸徳秋水たち無政府主義者の物語。初夏の静かな昼前、湯河原温泉で秋水は逮捕。同日同刻の啄木や漱石も描写されるが、この巻では点景。そこから秋水の少年時代に遡り、兆民との出会いや萬朝報からの離脱、サンフランシスコへの逃避も経て急進的社会主義者となってゆく。一方で女性観は旧時代のもの。彼を取り巻く多くの無政府主義者の中では、やはり管野須賀子の革命への暗い情熱が他を(秋水すらも)圧する。彼女を慕う荒畑寒村が昭和の戦後まで生き永らえ得たのは、紙一重の運命の差だった。

2022/03/15

感想・レビューをもっと見る