ボーダー 6 デラックス版 (アクションコミックス)
ボーダー 6 デラックス版 (アクションコミックス) / 感想・レビュー
モルテン
蜂須賀の、ボブ・マーレイなりきりライブとその後の顛末、そしてこのマンガの結末が描かれる。10億円は床下に埋められてなかったことになり、一時的なボーダーの木村は東大へ通い、久保田はGSのアルバイト、蜂須賀は土木作業員。この決着が非常にリアル。80年代にフラフラしていた彼らはボーダーだとか「あちら側」とか言いながらそれなりに地に足つけた生活をすることとなった。夢も希望もないな。思えば、彼らは貧乏を選択していたのであって、やろうと思えば働いて金を稼ぐことができる。それが現代の必然的な貧困と異なる。
2017/12/22
コリエル
熱狂の一夜を経て、生ける屍のごとくなる蜂須賀。で、80年代の「地獄巡り」としてホームレスの世界を体験した後、やはり便所部屋へと帰ってくることに。わりとブツ切りにしたような最終回だったけれど、何か事情があったのかな。ひょっとしたら連載当時、バブル景気が終わりを迎えていたのかもしれないな。消費の時代を下層から眺めるという作品コンセプトの前提が崩れたからこその幕引きだったのかも。30年後のいま、三人組が何を感じるのかを見たかった気もするが、原作者の逝去でそれも適わぬ願いか。
2018/03/16
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