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この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

作家
こうの史代
出版社
双葉社
発売日
2011-07-21
ISBN
9784575839418
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この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス) / 感想・レビュー

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さらば火野正平・寺

広島から呉の北條家に嫁いできた若きすずさん。絵を描くのが大好きでドジな可愛らしい女性である。病弱な義母、科学話が好きな義父、少し意地悪な義姉、可愛いその娘、そして不思議な縁である愛すべき夫に囲まれる。ノホホンとしながら時に胸を鷲掴みにするシリアスがある。皆の前ではドジなすずさんのモノローグがやたらに刺さって来る。人命の軽かった時代ならではの悲惨はすずさんの日常にも影を落とす。友人である哲さんやリンさんの言葉も素敵だ。そして終戦の日のすずさんの怒り。尤もである。ラストがまた感動的。朝ドラにして欲しい。傑作。

2016/08/10

空襲で防空壕に逃げ込んだり、機銃掃射、時限爆弾で負傷したり身近な人を亡くしたり、当時の国民の生活ってこんな感じだったのだろうなぁと思います。腕を亡くしても広島の実家が原爆で亡くなっても前を向いて生きようとするすずが素敵です。りんさんが言ってた、そう簡単に居場所はなくなったりしないという言葉や、お姉さんが言ってた、どんなにつらい人生でも自分が選んだ道だという言葉がとても深くて、現代の私にも励みになります。

2015/08/30

り こ む ん

映画観てからの再読。映画の中ではしおられてた部分を映画と繋げて読む。すずの美しかった世界が、壊され、歪んでゆく姿。映画での声のトーンと表情。大人びてゆく度に、隠してゆかねばならぬ影。歪みきれない苦しさを改めて実感。どんな状況でも人は泣き笑いする。食べるし、寝るし…生きてゆく。人を想い、愛おしむ。それが人の力となる。そしてその気持ちが人を前に向けるんだと…「あんた、よう広島でいきとってくれんさったね」本当に思う。命に感謝。

2016/11/27

り こ む ん

戦争末期の軍人でも政治家でもない。私たちと何ら変わらない家族の姿を見せてくれる漫画。普通に泣き笑い、人を想い、子を想い、親を想う。ただ、戦時下だから、そこには命の危険。人の死の近さがつきまとう…でも、彼らにとっては、日常だったと言うことがまざまざと感じる…自分と変わらないのに…普通の感覚が次第にズレてゆく。怖い表現はほぼなく、ともすると、軽い感じで表現されてたりするのだけど、その表現が、まさに日常であった言うことを教えてくれる…それが、非常に怖く、悲しい。

2015/11/29

り こ む ん

いつでも、どこでも、人はその時、その時の条件で生きている。今も昔も変わらない生活をしている。その時だけが、その時代だけが懸命に生きている訳ではない。「明日」という本がある。その中でも、誰もが明日を来るのを「普通」として、その時代の「普通」の生活を営んでいたんだ。今も今で今の「普通」で「平凡」な生活をしている。当時の人は別に特殊な人々ではない。私たちと変わらない。同じなんだ。同じだからこそ。考えてほしい。その生活を根こそぎ奪いさる戦争の惨さを。終わっても終わらないモノを背負ってきた人々の想いを

2019/08/07

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