ゲンセンカン主人: つげ義春作品集 (アクションコミックス)
ゲンセンカン主人: つげ義春作品集 (アクションコミックス) / 感想・レビュー
袖崎いたる
様々な文化人のゲンセンになっているような代表作品集。パッと浮かべても、蛭子能収さんが座右の一作として「ねじ式」を挙げ、大澤真幸さんは「噂の武士」を『<世界史>の哲学』にて取り上げてる。それとこれはぼくの妄想だけど、「山椒魚」は夢枕獏さんの「ドム伝」への影響があるんじゃないかとも思えるし。内容に関しては、なぜ現代においてはこのような作品が廃れてしまったのかしらと思えるような「他人の心の知れない」作品がズラリ。自作の説明責任が緩かった往時が許したものなのか。読者が己の読みを「読み〝込む〟」、そんな作品とは。
2016/06/09
アズル
代表作ばかりで、「つげ義春って、たいだいこんな感じ」という奨め方が似合う本でした。表紙のつげ風の男とヌードの女、この装丁、すごく印象に残るし好きになりました。
2014/04/28
ミエル
まず表紙が良い。中身はつげワールドを裏切らない世界観で安定感がある。いつも通り、うら寂しく、饐えて黴臭い読後感が楽しめる。
2014/09/03
みな美
いくつかの短編は、主人公の顔が作者そのもので笑った。つげ義春は大好きなんだが、なぜこんなに好きなのか自分でもよくわからない。でもきっとつげ好きは廃墟とか好きだよね!ゲンセンカン主人の天狗のお面をして登場するシーンが何故あんなに名シーンなのか、、説明できないけど好きだなぁ。
2013/09/25
ばー
『ゲンセンカン主人』のような作品が見たくて、作りたい。これは、人生の底なのか。「底である」と言い切るほどの傲慢さは持ちたくない。ブルースなのか、そうでないのか。人間の忌避しつつ憧れるもの。アンチテーゼとしての人生。浸り続けたい。
2012/09/26
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