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『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス

『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス

『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス

作家
関川夏央
谷口ジロー
出版社
双葉社
発売日
1989-10-01
ISBN
9784575931761
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『坊っちゃん』の時代(第2部) 秋の舞姫―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス / 感想・レビュー

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みつき 

森鴎外が舞姫を書くに至った経緯を描いた第二巻。いつもの森鴎外の偽善っぷりには辟易しますが、今まで築いてきた、日本古来の文化を真っ向から打ち崩していく西洋文化に戸惑いと怒りを感じつつも、それに迎合しなければ、欧米列強には勝てないという、当時の知識人や政治家が持っていた葛藤がよく見てとれます。『西洋人を美しいと思う事が・・・爾後百年日本を苦しめることになるでしょう』鴎外が発したこの一言が耳に痛い。

2013/02/05

阿部義彦

手塚治虫文化賞受賞作。第二巻です。今回の主役は森鴎外で『舞姫』を中心に話は進みます。主にエリスが日本を尋ねて来ていた36日の出来事を縦糸として、それに絡む横糸に当たる人物は、二葉亭四迷、坪内逍遥、東條英機、西郷隆盛、樋口一葉、石川啄木、書きたかったのは明治という時代だと関口さんも後書きで語っています。息を呑む群像劇。エリスのその後は誰一人知らない。

2023/10/22

すぎの

〈それは鷗外の青春であった。いや近代日本の青春そのものであった。〉明治の苦悩、鷗外の苦悩と失恋、ドイツ少女の支えとなった二葉亭四迷(長谷川辰之助)の物語。鷗外・森林太郎を追い横浜へやってきた舞姫エリスはドイツ時代彼がよく口にした《義》という言葉を持ち出すが、近代日本にとって個人とはすなわち家。鷗外は彼女が恋した彼とは別人になってしまったのだった。時代のせいなのだろうか。全体的にやるせなく、成行で知りあった女郎とその幼馴染の恋を助けようとするエリスが健気で。横浜港へ向かう夜の馬車の一コマは本当に切なかった。

2015/02/14

しゅん

二葉亭四迷葬儀に端を発する森鴎外林太郎の回想。二つの悲恋話が同時進行する、それに一人の女性が別の形で関わるという筋書きはとても面白く、坂の上を多くの人が行き交うロングショットを捉えた谷口ジローの筆力も素晴らしい。エリスが、美しい姿でありながら気概あふれる行動を示す魅力的なレディとして描かれている。ただ、鴎外が斜め下を見るときの憂愁の表情がずっと美しく描かれてて、それが必要以上に彼を救っている気がする。そこで興が醒める。国家と自身を直結させるバランスを欠いた自意識を、原作者関川夏央も共有している感。

2023/04/12

ツキノ

長谷川辰之助二葉亭四迷(←この表現方法がおもしろい)にこんなエピソードがあったとは。エリスのエピソードもすごい。このシリーズは「日本人とはいったい何者か」というおさえがたい興味によって作られたとのこと。それもすごい…!唸る一冊。

2015/07/08

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