さんさん録 (2) (アクションコミックス)
さんさん録 (2) (アクションコミックス) / 感想・レビュー
えちぜんや よーた
ふだんの何気ない家事の中にある、何気ない感情をさりげなく表現する。こうの先生は絵もストーリー展開も上手いなぁ。長い人生の中で必ず起こるであろう揉め事や、情事についてもさらりと描き上げてしまう。先生ご自身は「全く自信を失って落ち込んでいた」とあとがきで述べておられるが、いやいや決してそんなことはありませんぜ。それぞれの登場人物を通して爽やかな風が通り抜けたような気がする。仕事や家庭の人間関係に疲れた人にぜひおすすめしたい作品。一服の清涼剤になること間違いなし!
2016/12/29
さらば火野正平・寺
こうの史代が描く、男性老人が主人公のホームドラマ漫画。主人公・参さんは亡くなった妻・おつうさんが遺したノートを見ながら家事に勤しむ。そんな参さんにも仙川さんという妙齢の美女との奇妙な恋の予感。面白い。家事技術の解説が間に挟まり、駄目男の私には勉強になる。こうの漫画はいつもそうだが、穏やかな時間を感じながらも不意に良い風が吹く。素敵だ。時間は子供にも大人にも1日24時間。大人は要領で生き急ぎながら時間を無駄にするが、本当は子供と同じ長い時間があるのだ。こうの史代の漫画には、いつもそれを教わる。
2015/06/29
はつばあば
じじいが苦手と云いながらほのぼの爺様を描いてくれる作家さん。若い人達にとって私達は妖怪の分野に入るのかもしれないなぁ。老人は増えるし老害ははびこるし・・。私達老人も好きで老人になったわけではないんですよ。時間だけが過ぎて・・新幹線に乗って気が着いたら終着駅寸前をマゴマゴしてるのとなんらかわりません。?私だけ(^^;。声を出して笑ったり、鶴亀算を思い出せずに爺様に家庭教師をしてもらったりと忙しくもほのぼのとした時間を我が家でも持てました。寺さんやこばまりさん推奨図書?漫画と云っても過言ではない!・・はず。
2016/08/17
mai
すごくよかった。作中に出てくる人間関係がほんとに好き。レンタル本でしたが、購入して手元に置いておきたくなりました。
2017/08/11
yoshida
こうの史代作品の画と雰囲気がとても好きです。2巻も面白い。終わって欲しくない。仙川さんの和服姿が艶っぽい。第24話「赤い糸」。「参さん、わたしのしそこねた事をうんとして下さい、わたしの出会いそこねた人をうんと大切にして下さい」。第27話「あたる日」。第31話「春風」から最終話まではホントに面白い。「あの時のふたりを思い出せば、わたしはたぶん死の間際にも笑っていられる。」良い科白ですね。後書きでこうのさんは「商業誌で発表した作品で一番自信の無い作品」と書いてます。私は傑作だと思い愛読してます。
2014/09/15
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