殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-12 ザ・ミステリ・コレクション 殺し屋ケラー・シリ)
殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-12 ザ・ミステリ・コレクション 殺し屋ケラー・シリ)
- 作家
- 出版社
- 二見書房
- 発売日
- 2002-05-22
- ISBN
- 9784576020747
殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-12 ザ・ミステリ・コレクション 殺し屋ケラー・シリ) / 感想・レビュー
Tetchy
殺し屋対殺し屋。こう書くと派手なアクションと駆け引きが繰り広げられる一大エンタテインメントを髣髴させるが、全くそんな色合いはない。ケラーと仕事斡旋者ドットは慎重に標的を見張りながらまだ見ぬ敵の正体を探る。そして地味なまでの尾行の連続。肝心な対決シーンは行間で語られるのみ。殺し屋が主人公なのに物語の雰囲気は飄々としており殺伐としていない。リアリティが全く欠如していると思われるが、よく考えるとこれほど静かに殺しが成されるが故に実はリアリティがあるのかもしれない。まさにローレンス・ブロックにしか書けない作品。
2016/04/11
シキモリ
やっと入手したシリーズ第二作。短編集の前作と打って変わり、今回は長編…のはずだが、実際は短編同士を繋ぎ合わせたような筋の運び。それもそのはず、解説によると一部のエピソードが刊行前に【切り売り】されていたらしい。前半の画廊編はまだしも、後半の陪審員編は本編と関連性が低く、間延び感を助長しているが、長尺な分、ケラーとドットの掛け合いは存分に味わえる。本来は血と暴力の匂いが漂う<殺し屋の主人公VS正体不明の殺し屋>という好カードも著者の手に掛かると何ともトリッキーな展開に。うーん、やっぱりこのシリーズ好きです。
2021/02/05
Panzer Leader
今回は短編の積み上げと、ケラーさんを狙う謎の殺し屋のミステリーを重ね合わせた長編。但し相変わらず、噛み合っていそうで噛み合っていないドット達との緊迫感のない会話が殆どを占める。一番面白かったのは「ケラー陪審員になる」との題名がつきそうな一編。「ローアンドオーダー」を見た事のある人なら思わず微笑んでしまうような場面が続く。独自の価値観で依頼人を標的に変えてしまうケラーさんには自分が殺られそうでチョット仕事は頼めないなあ。そろそろマット・スカダー物にも手を出してみようかな。
2015/03/07
みやび
第2弾。ケラーは職業「殺し屋」という以外は、天然というか世間知らずというか…切手集めにはまったり、絵画に心を打たれたり、占星術に驚いたり、陪審員になってみたり…普通の人として成長している子供のような、ギャップが面白い。ドットとの会話も洒落てて好きです。
2019/06/27
bapaksejahtera
殺し屋ケラーシリーズで一応長編に分類される三作のうち最初に発表された作品。一冊物語としては、本作の後に出た「殺し屋最後の仕事」の方が筋が纏まっている。本書は発表前に何回かに分けて切り売りされたそうで、成程短編とも長編ともつかない中途半端な出来で、むしろ1998年の最初の短編集「殺し屋」の方が全体としての展開振りが明瞭で面白かった。登場人物への馴染みがあるからついて行けるが、ケラーの脱線しがちな思考経路の描写や、延々と続く相棒女性ドットとのやり取りは、もしこれを最初に読んだとしたら、退屈したかもしれない。
2022/04/26
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