死者の長い列 (二見文庫 ブ 1-13 ザ・ミステリ・コレクション)
死者の長い列 (二見文庫 ブ 1-13 ザ・ミステリ・コレクション) / 感想・レビュー
セウテス
【マット スカダー シリーズ】第12弾。31人の男が、年一回集まり生きている事を報告し合い、無くなった会員に追悼の意を捧げる「31人の会」。最後の1人になった者が新たな30人を会員に選ぶ今回は、1961年に新しい会員が選ばれた。その後、会員の死亡が異様に多い事に疑問を持った男が、スカダーに調査を依頼する。地道な調査により、連続殺人の疑惑が明らかになる。本作品も生と死に寄り添うシリアスな物語ではあるが、何より謎を解き犯人を推理出来る、本格ミステリなのが衝撃。改めて様々な事を考えさせる、凄い作家だと思える。
2022/02/03
Tetchy
ランダムに選出された男性によって構成された実に不思議な集まり「三十一人の会」のメンバーが最近次々と殺されているという魅力的な謎で幕を開ける。とにかく死が溢れている。ニューヨークには八百万の死にざまがあると以前書かれていたが、本書にも様々な死が登場する。恐らく今までのシリーズで最も死者の多い作品ではなかろうか?そして特徴的なのは本書が本格ミステリ趣向であることだ。しかも犯人を特定する伏線は実にさりげなく、大人の会話の中に溶け込んでいる。このブロックの本格ミステリスタイルに私は思わず唸ってしまった。
2015/10/04
ずっきん
最後の一人になるまでお互いの生と死を確認しあうという「三十一人の会」メンバーの死に連続殺人の疑惑が、というミステリアスな展開。55歳のスカダーが持ち前の粘り腰で捜査する姿と、年月を経た街の描写がたまらない。レイや人物の描き方がまたいい。人も物事も、斜めや裏からの視点で見ると違った事実が浮かび上がるもの。男どもの戯言をなにかと受け入れられるのも、私がスカダーと同じように年月を重ねてきているからかな。スカダーの言い訳をしない潔さもあるだろう。さて、老いぼれ熊さん、貴方の生きざまをもう少し見せてもらうね。
2018/06/23
bapaksejahtera
所はNY。選ばれた30人の男が毎年一回会合を持ち、その間の死者が読み上げられる。そんな集団で最後に残った男が新たに若い30人を選んで次の「章」が続いていく。会員の死亡が異様に多いと不安になった男がスカダーに調査を依頼するのが始まり。地道に調査を進めるうち事態は展開し解決の糸口は思わぬ所から。最後に残った年寄が新たな若者を30人も集める気力体力などある筈がない、と分かる年齢になったので、小説のプロットその物の現実離れは当初から気がついていたが、倦む事なく読み終えた。この作者の小説で最も気に入った作となった。
2020/11/02
キミ兄
なんだかマットの思考が総じて他人事だなと思っていたら解説にも同じようなことが書いてあった。初登場から20年経ってるから人間も変わるよね。ストーリー自体もハラハラ感はほぼ無し。でも面白い。薄味も良い。⭐️⭐️⭐️。
2019/02/11
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