涙を食べて生きた日々 摂食障害――体重28.4kgからの生還
涙を食べて生きた日々 摂食障害――体重28.4kgからの生還 / 感想・レビュー
わむう
小学生でも瘦せたい願望やヤセ信仰が根付いています。一口でも食べたら太ってしまう、胃の中に固形物があることが許せない、骨と皮だけなのに自分が痩せていると思っていない、体重が100g増えただけでどうしようもなく落ち込む。やがて著者は、なぜ体型と体重をコントロールすることにこだわり続けるのか自分自身の事を冷静に見つめることができるようになってきます。
2023/11/13
亜希
高校生のとき自身も片足(と言っても足首くらいまで)を摂食障害に突っ込んでおり、当事者のブログや専門の医学書まで目を通せるだけ通していたため、特に新しい発見はなかったけれど、著者が「はじめに」に書いている通り、摂食障害の患者とその周りの人(特に家族)に、認識の”ズレ”を意識させるのには適切な一冊だと思った。1点、本筋から逸れるけれど、学生時代の友人の一人と後輩男子の言葉がただただ酷い。言わなきゃええやん、子供って時に引くほど冷酷だ。そんな言葉にも負けずに、著者がいま笑っていられて、本当に良かったと思う。
2024/01/09
もけうに
あまりにも辛くて読めない…と思ったけれど、読んでいる内に、惹き込まれて止まらなくなった。著者が私の代わりに気持ちを的確に言語化してくれているようで、どこか救われる。食べることに対する罪悪感、「普通の人」はどうやって、どういう気持ちで食べ、そして適切に食べ終えるのだろう。自分より食べる量が少ない・食べ残しをする人への対抗心。空腹感とは違う、枯渇感。はやくはやくと焦り、キッチンを漁り、冷蔵庫の食材を見ては戻すを繰り返す、目の前にある食べ物を消してしまいたくなる。食べたいけど食べたくない。苦しい。
2023/07/03
nonpono
素人目線ですが、食べ物を見ていると聞こえてくる心の声は、統合失調症の幻聴として、食べなくてはいけないという強迫観念は強迫性障害の影を見てしまいます。「止まることが怖かったり、やることがなくなると、私には食べることしかの残されていない」というように頭の中が完全に「食べる」という行為に支配されています。「食べる」ことの恐怖や拒絶、会食へのアレルギー、積もり積もって「ドカ食い」で爆発する無限のループの中をぐるぐるまわるだけの人生。また虚しさがつのります。人間の極限にある欲求の影の部分が照らされています。
2023/06/19
あゆお
摂食障害に関心があるので読んだ。職場の生徒にもいるし、友達にもいるし、実は自分もそうなのではないかと思う…。私は小さい頃から医学、精神医学に興味があって、色々な病気について調べていた。インターネットを使って知らない人とチャットをすることもあったし、自分の心の中の辛さの原因を知りたくて、インターネットで検索を重ねるうちに、自傷行為にくくられる数々の行動についても知識を得ていった。過食嘔吐についても、その恐ろしさについても理解していたつもりだ。 小学生の時は、母親に隠れて台所にある「食べられるもの」漁った。
2023/05/06
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